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私たちが紹介する商品で日本のものづくりに携わる人たちの情熱や技術、そして思想の一端を少しでも多くの方に知っていただけたらいいと思います。
鬼瓦のバリエーションは寺の巨大なものから家屋の屋根にのせるものまで数多く、鬼師はその家にのみ伝わる意匠や製造工程(粘土のブレンド・道具の種類と使い方・焼成温度など)を違えることなく綿々と次の世代に伝えます。
しかし、現代では屋根を瓦で葺く家が減少したため鬼瓦をのせることもなく、家の格式を示すことも、火除け厄除けをして家を大切に守っていこうとする考え方も少なくなってしまいました。同時に瓦作りの伝統を継ぐ守り手も新しいものづくりに挑戦しなければならない転機にさしかかっています。
瓦の鯛は鬼師のちょっとした遊び心からお祝いに供される干菓子用木型に滑らかな粘土を詰めて型抜きをし、鱗の細工はひとつひとつをへらでなぞって作られました。 「こんなものを作ってみたんだよ。」と棚の奥からそっと出してきた鯛を、手に取ってじっと見入っていたのは意外にも瓦を知らない20代の若者でした・・・
和モダンな雰囲気・いぶし瓦の風合い・手作りの味・少し変わった鯛の表情・・これらが相まって若い世代の興味を惹いたのではないかと想像します。
大阪に貼箱を作る人がいます。
貼箱とは厚い紙を芯にして箱を作り洋紙や和紙・布など様々な素材で表面や内側を貼って美しく仕上げたパッケージです。今では機械化によって量産ができますが、”付加価値のある箱”にするには、やはり手作業で手間をかけ「愛情」を注ぎ込むことが必要だといいます。
村上氏は膨大な素材の中から箱づくりの経験や知識を基に、持つ人の希望がかなう最適の材料を選び出し、高い品質を保つために人の目に触れない部分にも丁寧な細工を施しながらひとつひとつをつくり込みます。そうして出来上がった箱は手に取るとあたたかく、生きているもののように こちらの感性をもふるわせる存在になっているのです。
鬼師とパッケージプランナー ふたつの優れた技術と感性・ものづくりに対する思想を瓦の鯛と貼箱から少しでも感じ取っていただけたら幸いです。