Tips Semantic Web

ティム・バーナース=リー氏が WWW を発案してからまだ15年しか経っていません。そしてインターネットが本当の意味で一般的に普及してからまだ10年にも満たないのです。その意味で考えると、Webはまだ若い発展途上にあるということが理解できるでしょう。

この15年、これからの10年
紆余曲折を経て、Webは飛躍的な発展を遂げてきました。誰もが情報にアクセスし、誰もが情報を発信し、ハイパーテキストによって相互運用の幅を広げ、世界規模にまでに及ぶ WWW の世界を、15年前に想像することができたでしょうか。
URI と、http というシンプルな仕組みによって、そしてまた比較的容易に習得できるマークアップ言語 HTML によって、Webは爆発的な勢いで普及しました。
しかし一方で、シンプルが故のセキュリティに関する問題や、Web上のデータ交換という新しい局面も見せていることは確実なことです。
W3C では、HTML をこれ以上拡張するよりも、既にある XML を基盤として、様々な「ボキャブラリ」を再利用し組み合わせることで、よりダイナミックでインタラクティブな、そして何よりもセキュアな Webの構築を目指しています。
セマンティックWeb が目指すもの
例えば、あなたが家を買うとします。最初に考えることは、何よりも予算であり、場所でしょう。ローンの計算もしなくてはなりません。なるべく金利の安い借用を考えるハズです。
場所は通勤地よりも遠くなるのは避けたいところでもあるでしょう。なるべく広い土地も欲しいところです。そうなると、最初に行動を起こすのは、やはり不動産屋さんに赴くことになります。
忙しいあなたにとって、休日に不動屋さんに行って物件を探すのは大変なことです。不動屋さんもたくさんあり、どの不動屋さんを選ぶのかも迷わなければなりません。
そこで、インターネットを利用して物件選びを始めます。あわせて銀行ローンの比較も行います。とりあえず、希望する物件の情報を入力して検索するとしましょう。
運良く希望する物件に当たれば幸運なことです。しかし、一般的にはなかなか見つからないものです。不動産屋さんのサイトを順に巡って探すのは本当に時間がかかり、骨が折れます。また、明日になれば物件情報が変化するのは常でもあります。
メタ情報の再利用
不動産屋さんが抱えている物件情報は膨大な数に上ります。その情報には、場所や地図、価格、不動産基本情報などが集まっています。こうした情報を「メタ情報」として扱うことができれば、検索は比較にならないくらいずっと楽になります。
そうしたメタ情報を集めたポータルさえあれば、もうあなたは何もすることがありません。希望する場所や価格、環境、そしてローンの返済年数さえ入力すれば、必要な情報だけを集めて提示することができるのです。同時にそれは、今のポータルとは比較にならないビジネスチャンスにもなり得るのです。
残念ながら現在の検索システムは便利とは言いがたいものがあります。何故なら、各サイトに書かれている情報は、人間は理解できてもコンピュータが理解できないのです。いまのところの検索システムは「正規表現」を用い、それに当てはまるような「言葉」しか捜すことができないのです。
セマンティックWeb の目指すところは、人間でもコンピュータでも理解可能な情報を「メタ情報」に置き換えて提供することで、複数の処理(例えば、土地の検索やローン計算、見積書の提出など)を同時に行うことを目的としています。
早い話が、Web上にあるすべてのメタ情報を、データベース化することを、セマンティックWebは狙っているのです。
つまり、それぞれの専門サイトを融合し、それぞれの専門に特化した情報を「メタ情報」として提供し合える仕組みを考えているのです。海外旅行の際の飛行機やホテルの予約などを、「メタ情報」として一度に集めることができるのなら、希望する日付や予算を入力するだけですべてを予約できることが実現できるかもしれません。
成熟しつつある現在の Webで、お互いが持つ情報が利用し合えないのは、ユーザもコンテンツ提供者も不幸なことでしょう。セマンティックWebが実現する頃には、どんな驚きと感動を体験することか、今から胸がワクワクします。
セマンティックWeb を支える技術
セマンティックWebは、既存の Webを置き換えるように見えます。しかし、実際に求められているのは、既存の Web情報を拡張し、共存させるものなのです。
以下の図は、セマンティックWebを目指すために作成された Webアーキテクチャーを示したものです。 [拡大図面]

将来のウェブアーキテクチャーを表わした図

セマンティックWebは、現在の Web上の情報の位置を示す URI、Webページのデータを送受信するためのプロトコル(通信手順)である HTTP、そして拡張可能なマークアップ言語 XML と、その要素技術群を基盤としています。
W3Cでは今後、ここに掲げる様々な技術を中心として、機械やアプリケーションに依存しない、そしてよりセキュアな仕様や規格を策定する予定です。そして、それはもう実際に始まっているのです。


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