初心者のためのホームページ作り:第76号

                  毎週金曜日配信 What's New 2003/11/28
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  ┏              <第76号>

                banban@scollabo.com

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 当講座は、初心者や中級者が正しい文法と作法を身につけて、プロ級の本格的
な Webページ作成に役立つことを目的に配信されております。

 当講座では HTML4.01、XHTML1.1、XML1.0 を中心とした文法が主体となってい
ます。なお、このマガジンは等幅フォントでお読みいただくと快適に読めるよう
になります。

  今週のコンテンツ
      ■ Webデザイン 第21回 --- ディスプレイの不思議
   ■ HTML講座  第21回 --- 擬似要素
   ■ XML初級講座 第13回 --- 名前空間
    ■ 属性の解説(第6回) --- http-equiv属性
   ■ W3C Day 2003 講演会報告 --- 新たなアクセシビリティ

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◆Webデザイン(第21回) ディスプレイの不思議

 あなたが作成した Webページを同じ銘柄のブラウザでも、違うディスプレイモ
ニターで見たときに、その表示に違いに驚いたことはありませんか。

 ディプレイ装置には、ブラウン管式モニターと、液晶式モニターがあります。
また、そのサイズもいろいろで、15インチから、22インチまで非常に多種にわた
ります。また PDA(小型携帯用通信機器)では、その画面サイズはもっと小さく
なります。

 また、画面のサイズも様々で、人によって同じ装置でも設定を変えている場合
があります。画面のサイズを変えるのは簡単なことです。

 Windows ならば、コントロールパネルから「画面」→「設定」を選びます。ま
た Macintoshでもコントロールパネル、あるいは「環境設定」から「画面」を選
択して画面サイズを任意に変えることができます。
(実際に変えられる範囲は、装備されているグラフィック・カードの能力で異な
 ります、念のため。)

 ディスプレイモニターの違いによる色の違いも歴然としています。また、ユー
ザが利用している OS によっても色の明るさが異なるのも事実です。OSの違いは
モニターの「ガンマ値」の違いによって色の明暗があります。

 ハードウェアの違いによって、ブラウザ画面の表示が異なるのは仕方がありま
せん。これを回避する方法は、HTMLにはありません。
 では、どうしたらいいでしょう?

 ■サイズの値は相対値を指定する
 テーブルなどを設定する場合の横幅に用いる単位はたくさんあります。ほとん
 どがピクセル単位を選んでいるのではないでしょうか?
  ピクセル単位を選ぶと、その長さは「絶対値」となり、ユーザ環境にあまり
 影響を受けることがありません。しかし、狭い画面の場合には、不用意な横ス
 クロールが発生する可能性があります。
  また、広い画面では、無駄な余白が表示されてしまう場合もあります。こう
 した難点を防ぐのが「相対値」で、基本的にはパーセント単位で設定します。

  相対値は、ユーザの画面の大きさに合わせた比率になりますので、ほぼ作者
 の意図した表示になります。ただし、文字の大きさの設定によっては、意図し
 ないところで改行されますが、問題になることはないでしょう。テキストに強
 制改行を指定した場合には、妙な感じになりますが・・

 ■ガンマ値の違い
 ガンマ値とは明るさを表わす単位で、数値が小さいほど明るく見えます。概し
 て Windowsは、Macintosh よりも暗く見えます。それ故、制作環境による色の
 設定の仕方によっては、ユーザが違和感を持つ場合も考えられますので、その
 点を考慮して色選びを行ってください。

 新進気鋭の Webデザイナーさんは、とにかく自分のレイアウトデザインを貫こ
うとします。そのため、サイズや大きさの指定はすべて「絶対値」で行います。
しかし、絶対値はユーザによっては「使いにくい」「読みにくい」などの弊害が
出てしまいます。デザインを優先するあまり、本来の目的を逸してしまうのは、
本末転倒というものです。
 ユーザは、デザインを見るのではなく、情報を見るのだということを理解した
上で、「情報をデザイン」すべきと考えます。

 ユーザの利用環境は実に様々です。そうしたデバイスに依存することのないデ
ザイン(設計)が大切なことはいうまでもないことでしょう。

                (第22回 プライベートポリシーにつづく)

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◆HTML講座(第21回) 擬似要素

 前回はリンクに関しての擬似クラスについて解説しましたが、今回はごく普通
の要素で設定する「擬似要素」について詳しく解説します。

 ■最初の文字
 外国、それもアメリカあたりの Webサイトでは、テキストの最初の文字を拡大
 させる方法が取られています。NewYorkTimes社のサイトでは、その文字を画像
 化させています。

   The New York Times(個人登録が必要です。ちなみに無料です。)
     http://www.nytimes.com/

  また、最初の1文字だけを大きくする手法は、HTMLのタグを用いる方法もあ
 ります。タグの利用法は色々な方法が考えられるでしょう。
  例えば、

    <font size="5">初</font>
        <font size="3">心者のためのホームページ作り</font>

  あるいは、
    <big>初</big>心者のためのホームページ作り

  このような方法もありますが、「擬似要素」を上手に使えば、文字を画像化
 したり、冗長的な手法はタグの記述などは必要はありません。

  擬似要素では、2通りの設定があります。その1つである「最初の文字」に
 ついて設定するものです。
  その方法は、

   要素名:first-letter { 属性: 属性値 }

  このように設定することで、その要素で最初に登場する1文字目の色や大き
 さ、背景色、枠線、余白などを設定することができます。

 ■最初の1行
 また、擬似要素では、最初の1文字目のほかに、最初の1行目を指定して、ス
 タイルを設定することもできます。

   要素名:first-line { 属性: 属性値 }

  この設定をスタイルシート以外で行うとすれば、少々厄介になります。何故
 ならば、ブラウザで表示される1行目の区切りは、自動的に改行されてしまう
 からです。
  作者が意図的に1行目を設定したとしても、文字の大きさによっては改行位
 置がズレてしまうことも考えられます。そういった場合を想定して、スタイル
 シート以外で設定する場合の、厄介さがあるというわけです。

 ■最初に出現する子要素
 ある要素、例えば段落やリスト、テーブルといった構造をなすブロックレベル
 要素中で配置される要素(子要素)に対して、スタイルシートでは特定の設定
 を行うことができます。

   要素名:first-child 子要素名 { 属性: 属性値 }

  指定した要素の中では、どんな要素が子要素としては位置されるかわかりま
 せんが、この設定は、その要素内で最初に出現する要素に対してスタイルを設
 定することが可能になります。

  この設定の不思議なところは、設定する子要素はある要素の中で配置されて
 いる要素の子要素ということになります。
  つまり、

   <div>
       <p>この中の <em>子要素</em> に対して設定されます。</p>
      </div>

  これは、div要素の中の p要素に配置される em要素に対して有効となります。
 その設定は、
    p:first-chile em { 属性: 属性値 } となります。ちょっとめんどくさ
 い設定ですが、下記サンプルHTMLにて詳しく説明します。

 ■擬似要素のブラウザサポート状況
 擬似要素のスタイル設定は、CSS Level2 という比較的新しい仕様であるため、
 ブラウザによるサポートは様々です。
  最も普及しているブラウザである MSIE6.01 SP-1では、擬似要素の最初の文
 字、最初の1行をサポートしています。また、Mozilla、Netscape についても
 同様にサポートしています。
  ただし、最初に出現する子要素に関する設定は、OSやブラウザによって異な
 りますが、サポートしているほうが少ないようです。

 以下は、擬似要素を利用して表現するHTMLの構文です。

<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01//EN">
<html lang="ja">
<head>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=ISO-2022-JP">
<meta http-equiv="Content-Style-Type" content="text/css">
<title>初心者のためのホームページ作り</title>
<style type="text/css">
<!--
body { margin: 1em 8% }

p#param1:first-letter {
       font-size: x-large; 
       color: #009; 
       padding: 1px;
       background: #ff0 }

p#param2:first-line { 
       font-weight: bold; 
       color: #fff;
       background: #090;
       padding: 2px }

p#param3:first-child em { 
      color: #fff;
      background: #000;
      padding: 2px }
-->
</style>
</head>

<body>
<h1>擬似要素</h1>

<p id="param1">
段落を表わしているこの要素の最初の文字には、文字サイズを大きくし、
背景色に赤色、文字色を白色に設定しています。
</p>

<p id="param2">
この段落では、最初の行の文字を強調、文字色を白色、背景色を緑色に
設定しています。あくまでも最初の行だけなので、ブラウザの幅を
変化させてみると、最初の行だけであることが分かります。
</p>

<div>
<p id="param3">
ここでは最初の子要素には、<em>em要素</em> を使って、文字を強調し、
色を白色、背景色は黒色となっています。あなたのブラウザでは、
どのように見えているでしょうか。
</p>
</div>

</body>
</html>

  サンプル実行結果
  http://www.scollabo.com/banban/magazine/mm/sample_76-1.html


◆解説

■ <!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01//EN">
 HTMLでは、必ずその冒頭で文書型宣言を行わなければなりません。文書型宣言
では、文書構造や、要素、属性などの意味をブラウザが解釈するために利用され
るもので、文書型宣言と呼ばれています。

■ <html lang="ja">
 HTMLが記述されている言語を示します。ここでは日本語であることを指定して
います。lang属性は、他の要素中でも利用可能ですが、html要素に宣言した場合
その文書全体が、その言語で書かれていることを意味しています。
 WCAG(ウェブ・アクセシビリティ・コンテンツ・ガイドライン)では、遠く離
れた地にあっても、その情報が適切にレンダリングできるよう、その文書の言語
を示すようにされています。必須の構文となりますので、お忘れないように。

■<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=Shift_Jis">
 meta要素は、文書のメタ情報を Webサーバ(HTTPサーバ)やユーザエージェン
ト(ブラウザなど)に伝えるための機能を有するものです。
 ここでは、文書のMIMEタイプ及び、使用文字符号コードを伝えています。

■ <meta http-equiv="Content-Style-Type" content="text/css">
 これも、Webサーバや、ユーザエージェントに情報を伝えています。
  この記述は、文書中にスタイルシートを記述することを示しています。つま
 り、スタイルシートを利用する際には、必ずこの構文を記述しておかなければ
 なりません。

■ <title>初心者のためのホームページ作り</title>
 文書のタイトルを指定します。HTMLでは title要素を使って、ヘッダに文書の
 タイトルを記述しなければならない必須の構文で、省略することが許されてお
 りません。

■ <style type="text/css"> 〜 </style>
 スタイルシートを設定するための記述で、この style要素は必ずヘッダ部で配
 置しなければなりません。
  スタイルシートに対応していないユーザエージェントのために、各スタイル
 シートの設定は、<!-- 〜 --> の間で記述するようにしましょう。このように
 コメント内で設定することで、スタイルシート未対応のブラウザでは、内容を
 無視します。しかし、コメントが設定されていないと、そのままソースコード
 が出力されてしまう危険がありますので注意してください。

■ body { margin: 1em 8% }
 ブラウザ画面で表示するコンテンツ全体の余白を設定しています。ここでは、
 上下に1文字分、左右に画面の相対的な幅である8%の余白を指定しています。
  つまりこれによって、body要素に囲まれるすべてのコンテンツの余白を設定
 したことになります。

■ p#param1:first-letter { font-size: x-large; color: #009; 
 padding: 1px; background: #ff0 }
 最初の文字に指定するための擬似要素を指定しています。段落を表わす p要素
 に、param1 という idを設定しています。このスタイルを適用するためには、
 p要素に id属性を設定しなければなりません。属性で指定されたスタイルシー
 トは、そのページで1回しか利用することができません。

  ここでは、最初に出現する文字に対して、通常よりも2回りほど大きく、文
 字色を紺色に、背景色を黄色に設定しています。

■ p#param2:first-line { font-weight: bold; color: #fff;
background: #090; padding: 2px }
 この段落では、最初の行のみに有効なスタイルシートの設定です。文字を強調
 し、文字色を白色、背景色を緑色、背景の内側の余白を上下左右とも2ピクセ
 ル分だけ設定しています。
  このスタイルは、2行目以降には適用されません。

■ p#param3:first-child em { color: #fff; background: #000; 
padding: 2px }
 指定された要素(param3という idを持った p要素)野中の最初に出現する em
 要素に対してスタイルを設定しています。
  なお、このスタイルシートを反映させるために p要素を div要素の中に配置
 しました。実は、このスタイルの実現をさせるためにかなり苦労して、私なり
 に発見したものです。(実はこれを説明している参考書も Webサイトも丸でな
 かったのです!?)

  今回、サンプルを作成するために丸1日費やしました。どうしても実現でき
 ずあきらめようかと思って、何気なく設定したら、あら不思議、Mozilla も、
 Operaも、Netscape でもちゃんと表示されたのです。MSIEだけは実装していな
 いため表示することができません。

  ここでは、段落の中で出現する最初の子要素である em要素に対して設定し
 ています。文字色を白色、背景色を黒色としています。


◆擬似要素のまとめ

 最初の文字や最初の行に見栄えを設定する擬似要素の使い方は、色々な場面で
利用価値があるものです。特に、文字を画像化しなくても済みますので、制作側
にとっては低コストで、しかも簡単に設定することができます。

 問題になるのは Webブラウザのサポート状況です。擬似要素は CSS Level 2と
して勧告された比較的新しい仕様であるために、ブラウザの実装にかなりバラツ
キがあります。
 しかし、例えユーザ側のブラウザがサポートしていなくても、その表示に問題
が発生することはありません。スタイルシートが、HTMLの文書構造とは分離され
ているため、問題発生によるトラブルが極めて少ないということです。

 擬似要素には、ここで掲げた以外に、:before、:after などもあり、今後のブ
ラウザの実装が待たれるところです。

 擬似クラス・擬似要素一覧
  http://www.scollabo.com/banban/ref/refcss_08.html

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◆XML初級入門講座(第13回) 名前空間(NameSpace)

 「名前空間」などという日本語そのものが理解できません。名前に空間がある
わけでなし、空間に名前がついているわけでもありません。じゃ、一体これは何
を意味しているのでしょうか?

 本誌「第69号」で、「ボキャブラリ」について解説しています。このボキャブ
ラリとは「語彙:ごい」という意味で解釈されていますが、実際の XMLでは多少
その意味合いが異なります。

 例えば、HTMLを作成する上で、文書型定義の宣言は欠かせません。その宣言に
よって文書中で記述されるタグの意味をブラウザが理解し、表示の整形を行いま
す。つまり、文書型定義によって、そのHTML文書の仕様書を参照するというのが
本来の姿です。
 HTMLの仕様書を「ボキャブラリ」と解釈すれば、XML文書中に HTMLを記述する
ことができます。実際に XMLのサブセットして定義されている XHTMLでは、その
ような利用法を用いています。

 つまり XML文書中で名前空間を使うということは、他の規定されている仕様書
を参照するということなのです。指定する仕様書は、そのほとんどでマークアッ
プ言語が利用されます。
 そのため名前空間は、マークアップ・ボキャブラリ (Markup Vocabulary) と
いう用語で用いられています。

 ■マークアップ言語とは
 HTMLと同様に、基本的には  < > で囲まれたタグを利用することで、その要素
 を囲み、意味付けします。マークアップ言語はたくさんありますが、代表的な
 言語として MathML、SVG などが挙げられます。XMLでは、そうしたマークアッ
 プ言語を文書中に取り込んで利用することができます。

  それを現実化しているのが、「名前空間」と呼ばれる方法なのです。

 ■名前空間と接頭辞
 XMLで利用される名前空間の相手は実に多彩です。Webサービスを構築するため
 の仕様として、SOAP、WSDLなどの規格を使うこともできます。
  名前空間は、xmlns という属性を用います。これは XML Name Space を意味
 しており、複数指定することができます。

  名前空間で指定する際に、接頭辞を利用することは一般的に行われています。
 つまり、利用する要素名と、自らが DTDで宣言した要素名、あるいは複数の名
 前空間によって取り込む仕様書の要素名が衝突する場合は十分考えられます。

  早い話、同じ要素名が出現したとき、どちらの仕様を参照するのかパーサが
 困ってしまいます。それを分けるために「接頭辞」を設けます。
  例えば、次の書式を見てください。

    <book>
   <title>初心者のためのホームページ作り</title>
      <title>ばんばん</title>
    </book>

  さて、ここで2つの title要素があります。それぞれは微妙に内容が異なって
 います。1つは文書の題名であり、もう1つは作者を表わしています。これをど
 うすれば明確に区別することができるでしょうか?
  つまり、同じ名前の要素であっても、取り扱う意味が異なるのならば、それを
 明確づけるための「仕様」がなければ判断することができません。それを明確づ
 けるために、それぞれの「仕様」を示したものを参照するのが、名前空間の役割
 であり、そのための接頭辞なのです。

  2つの要素を参照するための名前空間を以下のように示すことで、2つの同じ
 名前の要素型を区別することができます。

  <profile xmlns:profile="http://www.scollabo.com/banban/profile"/>
    <magazine xmlns:magazine="http://www.scollabo.com/banban/book"/>

  <book>
      <magazine:title>初心者のためのホームページ作り</magazine:title>
      <profile:title>ばんばん</profile:title>
    </book>

  前回(第69号)で、XLSを作成しました。その中で HTMLを名前空間で取り込
 んでいますが、HTMLの要素名には接頭辞を付けませんでした。しかし XSLの要
 素型には、xsl: というように接頭辞を付けて、HTMLのそれと区別しています。
  これは、同じ要素型があった場合の処置として、それを明確に分けるために
 接頭辞を付けているのです。

 ■名前空間の規則
 名前空間にあるものは、基本的にスキーマです。スキーマを記述するための仕
 様書は W3Cより公開されています。(かなり難解です。)
  また DTDも、一種のスキーマです。それらを利用して自分なりのスキーマを
 作成することができます。

  名前空間で示される URIは、絶対に一意(ユニーク、唯一)でなければなり
 ません。そのために、http で始まるスキームを用いて URIを指定します。

 ■名前空間の利用価値
 XMLでは、利用する要素型や属性型、エンティティ型などは、DTDによって定義
 されます。基本的には、作者が DTDを作成するわけです。
  しかし、既にある規格を利用すれば、開発のコストは大幅に減らすことがで
 きます。つまり XMLという「入れ物」を用意することで、様々な規格や仕様を
 取り込み、自由にマークアップすることができます。

  その意味でも、名前空間とは XMLの最大の武器といえることができます。

  言い換えれば XMLを基盤として、そうした「ボキャブラリ」を利用すること
 で、先週お伝えした「セマンティックウェブ」を実現する手段となります。
  XMLのスタイル言語である XSL では、HTMLの規格を名前空間で再利用するこ
 とによって、XML文書を Webブラウザで表現することが可能になっています。

  名前空間にある規格や仕様は、スキーマと呼ばれ、XML Schemaを利用するこ
 とで、誰でも自由にスキーマを作成することができます。

 ■HTTP、URI、名前空間
 何故「名前空間」と呼ばれることになったのでしょうか?
  名前空間で利用されている規格や仕様は、基本的に Web空間にあります。そ
 の Webは目で見ることができない広大な「空間」を持っています。
  その空間上で、指定したスキーマを利用することから、名前空間という言葉
 に落ち着いたものと想像します。

  昔からあるハイパーテキスト文書の通信手順(プロトコル:通信の決まり)
 に、HTTPという技術が使われています。現在はさらに発展したバージョンであ
 る HTTP1.1が広く利用されています。
  HTTPを利用するために、そのIPアドレスが用いられ、通常、URI(URLを含む)
 を使います。HTTP+URI という仕組みは、その指定先が世界で絶対に唯一とい
 う決まりごとがあるため、名前空間は HTTP+URI を使うことになるのです。

  次回(第78号)は、実際に名前空間を用いて、MathML(数式表示)を作成す
  る予定です。ご期待ください。

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◆HTML、XHTML 属性の解説 --- http-equiv属性

 文書情報を、HTTPサーバのレスポンスヘッダに利用され、サーバやユーザエー
 ジェントに情報を伝える役目があります。

 ■http-equiv属性  文書情報をHTTPサーバに伝える
 DTD:    すべての文書型定義で利用可能
 属性値:  name(半角英数字で始まる名前)
 記述法: <meta http-equiv="Content-Style-Type" content="text/css">
 関連要素: meta

 XHTMLの制限:特にありません。

 http-equiv属性は、meta要素の属性として用いられ、他の要素型の属性として
 利用することができません。
  この属性は、name属性の代わりとして利用され、HTML文書のメタ情報のプロ
 パティを Webサーバに伝え、その情報はサーバやブラウザに利用されます。

  属性値にタイプが指定された場合には、そのMIMEタイプを content属性で明
 示して併用します。また、文書の文字符号コードなどを伝える重要な情報を提
 供する役目があり、その利用範囲は意外と広いものです。

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◆W3C Day Japan 2003 講演会報告 --- 新たなアクセシビリティ

 前回に引き続いて、11月14日に行われた W3C Day Japan 2003 講演会に参加し
その内容について報告します。

 ■W3Cの4つのドメイン
 現在 W3Cでは、大きく分けて4つのドメインに分かれています。ここで言うド
 メインとは、それぞれに開発のテーマを持ったワーキンググループを指します。

  □Architecture
  Webを支える基盤技術の改善と自動処理の推進
  XML/ XML Schema/ XSL/ XSLT/ XPath/ XML Query/ XML Base/ XLink/ 
  XPointer/ SOAP/ WSDL/ DOM/ URI/ IRI などの策定を行っている。

  □Interaction
  Web上の情報に対する新しいアクセス手法の探求
  HTML/ XHTML/ XForms/ CSS/ WebCGM / PNG/ SVG/ Timed Text/ MathML/ 
  VoiceXML/ CCPP/ Multimodal Interaction などを研究開発している。

  □Technology and Society
  Web上の政策的課題やセキュリティに取り組む支援技術の提供
  Patent Policy/ Semantic Web/ RDF / Web Ontology/ Privacy(P3P)/ 
  XML Key Manegement/ XML Signature/ XML Encryption などを扱っている。

  □Web Accessibility Initiative(WAI)
  障害をもつ人を含むすべての人が使いやすい Webの実現
  W3C技術の検証/ ガイドライン策定 (Code>WCAG、UAAG、ATAG)/ 
  評価・修正ツールの評価と開発/ 普及・啓蒙活動 などを取り扱っている。

 今回の講演会では WAIのワーキンググループからで、今後の Webにおけるアク
 セシビリティのあり方について報告されました。

 ■機械に依存しない
 インターネットの普及と共に、様々な小型通信機器も飛躍的な進歩を遂げてい
 ます。例えば携帯電話。いまやメール機能はおろか Webにアクセスして有用な
 情報を得られるようになっています。
  また一方で PDAと呼ばれる小型通信機器も価格の低下と共に、多くのビジネ
 スマンの必須アイテムとして成長しています。

  それらの機器に対して Web制作者は、個別のページを作らなければなりませ
 ん。なぜならそれらの機器は、HTMLや XHTMLの仕様に適合していないからです。
  また、小さな画面であることも Webデザイナーの悩みでもあります。言い換
 えれば、既存の言語がいかに偏っていたのかを示しています。

  こうした諸問題に対し W3Cでは、閲覧者の機械に依存しない新たな技術を模
 索しています。基本的には XMLをベースとした「機械に依存しない仕様」そし
 て、「機械に依存しないアクセス性」の2つを骨子としています。

 ■アクセシビリティとオーサリングツール
 W3Cでは、HTML、XHTMLに限らず XMLに対しても、ユーザや環境を選ばないアク
 セシビリティを追求しています。
  アクセシビリティについては、W3Cの中のワーキンググループ、WAIが担当し
 ていますが、機器の問題については Interactionグループ、セキュリティにつ
 いては Technology and Societyグループと共同で作業に当たっています。

  講演で W3Cは、アクセシビリティを実現するためには、オーサリングツール
 で行うべきだと主張していますが、正直なところ現在のオーサリングツールに
 ついては、それを期待するのには無理があります。
  また、広く Webが利用されている現実を考えると、誰がアクセシビリティに
 ついて啓蒙・普及・教育活動を行うのか、といった側面も残されています。

  既にアメリカではアクセシビリティに関する法律が定められています。そう
 した動きは次第に世界中に波及することが大いに予想されます。
  しかし、技術的な解決方法を制作者側だけで行うことにも限界があります。

   W3Cでは、ATAG(オーサリングツールが実装するアクセシビリティガイドラ
 イン)を打ち出しています。また、UAAG(ユーザエージェントが実装するアク
 セシビリティガイドライン)も勧告しています。
  これらは、制作者側だけではなく、オーサリングや Webブラウザ側にもアク
 セシビリティを実装すること、機械や環境に依存しないことなどを網羅してい
 ます。実現までにはかなり時間がかかりそうですが・・

 ■今後のWeb
 これからは、自動車や飛行機、電車などの移動通信体、街角や商店での無線ア
 クセス、腕時計やメガネなどのウェアラブル・コンピューティング、家庭電化
 製品など、あらゆる生活場面で Webが利用されてくるでしょう。

  どのような通信機器であっても、どのようなソフトウェアであっても、誰も
 が、いつでも、どんな場所でもアクセスを提供できるようにすることが、今後
 の Webにおける最重要課題となります。
   W3Cでは、それを実現するための技術情報の提供や仕様の策定などを世界中
 の会員たちと日々、開発を続けています。彼らの更なる飛躍を期待しないわけ
 にはいきません。

 ■関連サイト
  Web Accessibility Initiative(WAI)
    http://www.w3.org/WAI/

  Web Content Accessibility Guideline(WCAG)
    http://www.w3.org/TR/2003/WD-WCAG20-20030624/

  Authoring Tool Accessibility Guideline(ATAG)
    http://www.w3.org/TR/ATAG10/

  User Agent Accessibility Guideline(UAAG)
    http://www.w3.org/TR/UAAG10/

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今回はここまで、ではでは・・
今週のおさらいは Webページにも掲載しましたので、是非見ておいてください。
Webページでは HTML文の実行結果のサンプルもあり、より分かりやすく説明して
います。あわせて過去の記事のおさらいも掲載しています。

 (今週のおさらい)
  http://www.scollabo.com/banban/magazine/review_076.html

 次回は「JavaScript講座」を、12月5日に配信を予定しています。

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質問・ご意見ははこちらまで→ banban@scollabo.com

 なお、ご質問の際には、あなたがお使いのOSや Webブラウザ、テキストエデ
ィタなど、なるべく分かりやすく制作環境を明記していただけると回答しやすく
なると思います。
 ただし、個人的な事由により返事が遅れることがあります。ご了承ください。
お急ぎの場合には、当サイト内の掲示板をご利用ください。きっと誰かが答えて
くれると思います。

発行者 ばんばん
協 力 スズキ・コラボレーション http://www.scollabo.com/
配信エンジン まぐまぐ http://www.mag2.com/  (ID 0000090196)

 誤字・脱字・変換ミス・表現欠乏などには、平にご容赦願います。

バックナンバー こちらで公開しています。
プレーンテキスト  http://www.scollabo.com/banban/magazine.html
各号のおさらい  http://www.scollabo.com/banban/magazine/
アーカイブ    http://www.scollabo.com/banban/daf/archive.html
まぐまぐの過去記事 http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000090196

配信の変更・中止はこちらです。
個別の手続きは受け付けていませんので、ご面倒でも各自でお願いできれば助か
ります。
当サイトにて http://www.scollabo.com/banban/magazine/top.html
まぐまぐにて http://www.mag2.com/m/0000090196.htm

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<えでぃた〜ず・る〜む>

 先週デジタルカメラを新調しました。それまでのカメラは既に4年間使い続け
ていたのですが、いま1つ画像に信頼感がありませんでした。
 今回は思い切って一眼レフデジタルカメラに買い換えました。フィルム形式の
いわゆる銀塩の一眼レフカメラは持っていましたが、技術革新とは恐ろしいもの
で、なかなか手に負えないくらい凄いカメラです。

 一眼レフ式のデジタルカメラの特徴はレンズが交換できる点にあります。一方
でその価格は目が飛び出るほど高価で、欲しくてもなかなか手が出せないもので
した。平均すると30万円から 100万円以上もします。

 この秋、キャノンから発売された一眼レフデジタルカメラは、従来の常識を大
きく打ち破って12万円台の非常に安い(?)価格を打ち出しました。その発表に
は少なからず心が動かされ、奥さんの同意もあって購入することになりました。
 (別にキャノンの宣伝をしているわけではありません、念のため。)

 画質は 620万画素という恐ろしいまでの大きさで、細部にわたる繊細な描写が
印象的でした。一眼レフなので、写し方、設定の仕方で撮られる画像はまったく
別の印象を受けるほど異なって見えます。
 また、こうした一眼レフでは、使い手の技術が左右されるので、へたくそがす
ぐにバレてしまいそうです。最初のうちはオートで写していましたが、慣れるに
したがってマニュアルで写してみると、意外な描写が得られます。一眼レフなら
ではの独創的な絵が撮れます。

 それにしても1枚の画像の容量が(*RAW形式)7メガバイトというすさまじい
容量なので、カメラからコンピュータに転送するにも時間がかかります。
 しばらくはこのカメラと遊ぶ日々が続きそうですが、そのうちきれいな写真
が撮れたら Webページに載せようかと考えています。

 アクセサリーカタログの1200ミリの望遠レンズの価格には腰が抜かされました。
なにしろ高級輸入車が買えてしまうのです。「たかが」レンズごときで・・

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最新更新日 2003/12/3
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