初心者のためのホームページ作り:第75号

                  毎週金曜日配信 What's New 2003/11/21
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  ┏┏┏┏   初心者のためのホームページ作り/Web for beginner
  ┏┏┏         http://www.scollabo.com/banban/
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  ┏              <第75号>

                banban@scollabo.com

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 当講座は、初心者や中級者が正しい文法と作法を身につけて、プロ級の本格的
な Webページ作成に役立つことを目的に配信されております。

 当講座では HTML4.01、XHTML1.1、XML1.0 を中心とした文法が主体となってい
ます。なお、このマガジンは等幅フォントでお読みいただくと快適に読めるよう
になります。

  今週のコンテンツ
      ■ Webデザイン 第20回 --- 日本語?英語?
   ■ HTML講座  第20回 --- 擬似クラス
   ■ XML初級講座 第12回 --- 記法宣言・DTDのまとめ
    ■ 属性の解説(第5回) --- src属性
   ■ W3C Day Japan 2003講演会の報告 --- Semantic Web

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◆Webデザイン(第20回) 日本語?英語?

 ページのタイトルに英語が使われている日本語のホームページがあります。英
語を使う理由はそれぞれあります。
 例えば、Java言語を扱うサイトでは、「ジャバ」と書くことはないでしょう。
「ジャバ」と書いたら、それはコーヒーなのか地名なのか分かりません。同じよ
うなタイトルは他にもたくさんあります。

 でも、中には日本語のままでいいにのも関わらず、英語を使いたがるサイトも
あります。英語のほうがクールなのでしょうか?

 昔、サム・テイラーというサキソフォンの名手がいました。彼の日本で発売さ
れたレコードのほとんどが日本の曲をアレンジしたものでした。さすがに、名手
だけあってその技術は卓越したものでした。しかし、彼が演奏する日本の民謡に
は「ピン」とくるものがなく違和感すら感じました。

 私が若いときに、1人でアメリカ南部を旅したとき、セントルイスという町で
ライブを聞かせる酒場に行ったことがありました。そこのライブでは、喧嘩でも
したのだろうか、指が1本切断された年老いた黒人のギタリストが演奏していま
した。さすがに、指が足りなくてそのテクニックは拙いものがありましたが、し
かし、彼の奏でるブルースは、絶対日本人では出せない音でした。それはまさに
彼の「生き様」を表わしたブルースそのものだったのです。

 外国の文字は、私たち日本人は、ややもすると「図柄」として捉える傾向があ
ります。確かにヘブライ語やアラビア語を見せられると、文字としてではなく、
模様としてみてしまいがちです。
 もしかしたら、英語もそんな風に解釈されているのかもしれません。

 日本語の文字では、直感的に「言葉」として認識し、その「意味」を解釈する
のが日本人では当たり前のことです。
 その内容が、どんなに拙くても私たち日本人はそれを「言葉」として問題なく
解釈し理解することができます。しかし、それが外国語で書かれていたら、それ
を解釈するために、少し時間が必要です。まったく知らない単語や言語ならば、
その意味を知らず、単なる「図柄」で片付けてしまうかもしれません。

 プロ級のテクニックを使い外国語で表現する「言葉」の意味が分からなければ
先に述べたサックス奏者と同じです。また、黒人のギタリストのように、たどた
どしい文章しか書けなくても、読む側はその意味を理解することができます。

 そのコンテンツは誰のために提供するのか、というターゲットユーザが絞り込
まれていれば、おのずと表現方法は限定されてくるはずです。

 Webページとは情報を伝えるメディアです。

 そこで書かれている「言葉」の意味こそが、コンテンツでもあるのです。日本
語で表現することができる表現は、日本語ですべきでしょう。

                (第21回 ディスプレイの不思議につづく)

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◆HTML講座(第20回) 擬似クラス

 例えば「訪問済みのリンク」の色を変えたいとします。しかし、そういった訪
問済みとか「未訪問」かという情報は HTML文書では表現し得ないものです。

 ブラウザの多くは、初期値として「訪問済み」「未訪問」の文字色を設定して
いる場合が多く、そのほとんどでアンダーライン(下線)が引かれています。
 その大きな理由は、ユーザが訪問済みなのかそうでないのかを判断する材料と
なるわけです。

 そういったものに対してスタイルを指定したい時に利用されるのが「疑似クラ
ス」や「疑似要素」と呼ばれています。
 スタイルシートでは、リンクに対して、つまり擬似クラスに対して文字色や背
景色を任意に設定できる柔軟さを持っています。

 擬似クラス
 a:alink   未訪問のリンク
  a:visited  訪問済みのリンク
  a:hover   リンクにマウスが重なった状態
 a:active    リンクが選択されている状態(クリックしている状態)

 これを見ていただければお分かりになるように、それぞれの接頭辞に a: が付
いているのが理解できるでしょう。これが「擬似クラス」あるいは「擬似要素」
を指定する記述方式です。
 例えば、
  p:hover とした場合、p要素にマウスが重なったときに、設定した変化が表示
されます。(alink、visited は a要素のみ有効)

 ■body要素に直接指定する
 HTMLでは、非推奨扱いながらそうした擬似クラスに対して直接設定する属性が
 定義されています。非常にポピュラーな手法で、既にご利用になられた方もい
 ると思います。

  <body link="#0000ff" vlink="#800080" alink="#009900">

 この設定は、リンクにおける文字色を指定しています。それぞれの意味は、

   link   未訪問のリンクの文字色を指定する
   vlink  訪問済みのリンクの文字色を指定する
   alink  リンクを選択している状態の文字色を指定する

 ただし、この設定をする場合には、背景色、通常の文字色を同時に設定する必
 要があります。
  何故ならば、もし、ユーザ側で文字色や背景色を設定していた場合(多くの
 視覚系ブラウザでは、あらかじめユーザ側で設定することができる)、作者の
 指定したリンクの文字色と、ユーザ側で設定した背景色と同じだった場合、そ
 のリンクの文字列を読むことができません。
  そのため、文字色、背景色の指定を併記する必要があるのです。この設定は
 スタイルシートを利用した場合も同じ扱いとなりますので、注意してください。

 ■スタイルシートによる設定のメリット
 擬似クラスを直接HTML中で指定する方法のほかに、スタイルシートを利用する
 方法があります。
  スタイルシートでは、リンクの文字列に背景色を設定できる特徴があります。
 また、場合に応じた個別の設定も可能です。

  例えば、ある部分のリンクについてはアンダーラインを表示したいけど、あ
 る部分についてはアンダーラインを消したい、あるいは文字色や背景色などを
 変えたいなどといった要求にも応えられることができます。
  以下のスタイルシートの設定では、要素によってそれを変化しています。

  p a:link, p a:visited { text-decoration: underline }
    div a:link, div a:visited { text-decoration: none }

  この設定は、段落要素では未訪問、及び訪問済みのリンクにはアンダーライ
 ンを表示させ、汎用的なブロックレベル要素にはアンダーラインを表示させな
 いリンクにしています。
  (スタイルシートでは、カンマで区切って複数設定できます。)

  このような設定を場所ごとに、あるいは要素名ごとに設定することでシーン
 に応じたリンクを配置でき、見た目には華やかな印象を与えることができるで
 しょう。

  今回は、スタイルシートの擬似クラスを利用した文書を作成します。テキス
 トエディタを起動して、以下のHTMLを入力してください。

!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01//EN">
<html lang="ja">
<head>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=Shift_Jis">
<meta http-equiv="Content-Style-Type" content="text/css">
<title>擬似クラスのサンプル</title>
<style type="text/css">
<!--
body { margin: 1em 8%;
       padding: 0 }

p a:link, p a:visited {
            text-decoration: none }

p a:hover   { color: #000;
            text-decoration: none;
            background: #ff0 }

dd a:link { color: #fff }

dd a:visited { color: #ff0 }

dd a:hover  { color: #000;
              background: #fff;
              text-decoration: none }

h1 { text-align: center;
     font-size: large;
     color: #090 }

p  { margin: 0 }

dl { margin: 0; 
      padding: 1em }

dt { font-weight: bold }

dd { margin: 0;
     text-indent: 0;
     padding-bottom: 2px }

div { float: left;
      width: 49%;
      margin: 0;
      padding: 0;
      background: #006;
      color: #fff }
-->
</style>
</head>

<body>
<h1>擬似クラスの応用</h1>
<p>
<a href="#">Home</a> &gt; <a href="#">Index</a> &gt; <a href="#">Back</a>
</p>
<div>
<dl>
<dt>検索ポータルサイト</dt>
<dd><a href="http://www.yahoo.co.jp">Yahoo!</a></dd>
<dd><a href="http://www.google.co.jp">Google</a></dd>
<dd><a href="http://www.goo.ne.jp/">goo</a></dd>
</div>

<div>
<dl>
<dt>ショッピングサイト</dt>
<dd><a href="http://www.amazon.co.jp/">amazon日本</a></dd>
<dd><a href="http://www.rakuten.co.jp/">楽天ショッピングサイト</a></dd>
<dd><a href="http://www.playstation.jp/">プレイステーション</a></dd>
</dl>
</div>

</body>
</html>

  擬似クラスのサンプル実行結果
  http://www.scollabo.com/banban/magazine/mm/sample_75-1.html
  (サンプルでは、すべてのリンクが有効です。)

◆解説

スタイルシートからの解説
■ body { margin: 1em 8%; padding: 0 }
 コンテンツを配置するための body要素の余白を設定しています。
  ここでは、上下に1文字分、左右に画面の横幅の8%分の余白を設定してい
 ます。padding: 0  としたのは、新進気鋭の Webブラウザ Operaでは、初期値
 として padding で余白を設定されているため、余分な余白を削除するために
 設定しています。

■ p a:link, p a:visited { text-decoration: none }
 擬似要素として段落を表わす p要素の中で配置されるリンクについて設定して
 います。
  この記述は、要素名+半角スペース+a:link あるいは a:visited と記述し
 ます。また、カンマで区切って同じ設定を適用させることも可能です。
  ここでは p要素内で配置されるリンクの文字列にアンダーラインを表示させ
 ない設定になっています。この設定は、あくまで p要素内でのみ有効で、それ
 以外の要素で配置されるリンクには適応されません。

■ p a:hover { color: #000; text-decoration: none; background: #ff0 }
 この設定は、リンクを示す文字列にポインティングデバイス(マウスなど)が
 重なったとき、そのリンクの文字の背景色が黄色、文字色が黒色、アンダーラ
 インを表示しない設定となっています。
  この設定は p要素内で配置されるリンクでのみ有効です。

■ dd a:link { color: #fff }
 定義リストの定義内容を示す dd要素内で配置されるリンクのみ有効です。
  ここでは、文字色を白色に設定されているだけです。この場合、アンダーラ
 インの表示はブラウザ依存となり、ブラウザ側の初期値が適用されます。

■ dd a:visited { color: #ff0 }
 これも上記と同様に dd要素内で配置されるリンクについて設定しています。
  この設定は、訪問済みのリンクの文字色を黄色にしています。

■ dd a:hover { color: #000; background: #fff; text-decoration: none }
 これも dd要素内では位置されるリンクに付いて設定しています。
  ここでは、リンクにポインティングデバイスが重なった場合、その背景色を
 白色に、文字色を黒色、アンダーラインなしに設定しています。他の要素内で
 配置されるリンクには適応しません。

■ h1 { text-align: center; font-size: large; color: #090 }
 第一見出し要素に対する設定で、文字色を緑色、大きさを通常より2回り大き
 く、その位置を中央揃えにしています。

■ p { margin: 0 }
 段落を表わす p要素の余白をなくしています。通常ブラウザ側の初期値は、こ
 うしたブロックレベル要素に対して1行分の余白を持たせています。その余白
 を削除したい場合に有効な設定です。

■ dl { margin: 0; padding: 1em }
 定義リストを表わすブルックレベル要素 dlに対して余白を削除し、その上で、
 コンテンツの内側の余白を1文字分設定しています。

■ dt { font-weight: bold }
 定義リストの定義語を示す dt要素の文字を強調させています。一般的な視覚
 系ブラウザでは太字に見えますが、「太字」に設定しているわけではありませ
 ん。あくまでも「強調」です。

■ dd { margin: 0; text-indent: 0; padding-bottom: 2px }
 定義リストの定義内容を示す dd要素の余白に関する設定を行っています。
  通常デフォルト値では、この要素はインデント(字下げ)されて表示されま
 す。そのインデントをしないために、margin、text-indent の2つを指定して
 います。ブラウザによっては、margin だったり、text-inndent だったりする
 ので、あえて2つ設定する必要があります。
  また、この要素の下側に2ピクセル分の余白を設定し、要素の行間を指定し
 ています。

■ div { float: left; width: 49%; margin: 0; padding: 0;
   background: #006; color: #fff }
  この要素は少し特別な仕掛けを講じています。

(HTMLから)
■ <a href="#">Home</a> &gt; <a href="#">Index</a> &gt; 
<a href="#">Back</a>

 これをブラウザで表現すると、
  Home > Index > Back となります。リンク先の URIをハッシュマークにした
 のは、このサンプルではその文書がないために便宜上 #としました。そのため
 このリンクはクリックしてもどこにも行きません。
  実際の利用では、リンク先を明記するようにしてご利用ください。

 実体参照の > はそのまま記述することができません。そのために &gt; と記
 述しなくてはなりません。

 (以下、省略)この先は説明は不要と思います。

◆擬似クラス利用の注意点

 何度か説明していますが、背景色を指定した場合には、必ず文字色も指定して
ください。擬似クラスを設定する場合、その親要素の背景色や文字色に十分注意
して設計するようにしなくてはなりません。

 またできるだけ、未訪問と訪問済みが閲覧者に理解できるように設定すること
も大切なことです。閲覧者が不便と感じるようなナビゲーションの設定は、ユー
ザビリティの観点から外れてしまいます。

 擬似クラスは便利な機能だけに、ミイラ取りがミイラにならないように心がけ
るようにしてください。

 次回は、「擬似要素」について詳しく解説します。

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◆Tips 他のページのある部分へのリンク

 リンクを記述するアンカー要素 a要素では、単にリンク先を明示するだけでな
く、ある場所にアンカーを埋め込むことができます。

  <p>例えば、<a name="this">ここ</a> という具合に埋め込む</p>

 このような記述のある場合、ブラウザには何も変化なく(リンクであるという
下線や文字色など)テキストが表示されます。
 これは、その部分が「アンカー」であることを示すための記述です。その部分
にリンクしたい場合には、

   <a href="#this">アンカーの場所</a>

 このようにすれば、そのページのアンカーのある場所に移動できます。こうし
たことは、他のページのある部分にも移動できることを意味します。例えば、今
のように、「this」とあるようなアンカーが埋め込まれたページの場合に

   <a href="sample/html#this">アンカーの場所</a>

 というような記述をすれば、sample.html という名のページの this と記述し
た場所に移動することができます。関連する内容がある文書などにリンクする場
合には、大変重宝するアンカーの埋め込みができます。

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◆XML初級入門講座(第12回) 記法宣言・DTDのまとめ

 今回は、DTDで示される宣言の最後である 記法宣言について解説し、あわせて
DTD全体の作成についておさらいをします。

 ■記法宣言(Notation Declaration)
  XML文書では、文書内に DTDを記述することができます。しかし一方で、DTDを
 外部ファイルとして読み込ませることもできます。
  そうした一連の外部ファイルに対して、XML文書を関連付けることを「記法」
 と呼び、DTD内で、それを明示する必要があります。

 ■外部 DTDの読み込み
 DTDは、XML文書内で記述するよりも外部ファイルとして個別に作成するほうが
 再利用という点では非常に効果的です。
  外部に置く DTDファイルの拡張子は「.dtd」です。このファイルを XMLに取
 り込むための記法を「記法宣言」と呼びます。

  具体的な記法宣言は以下のとおりです。
    <!DOCTYPE DTDのルート要素名 SYSTEM "DTDファイルの URI">

  例えば、外部 DTDを以下のとおりに記述した場合、

  <!DOCTYPE magazineinfo [
  <!ELEMENT magazineinfo (magazine)>
  <!ELEMENT magazine (book,author,content)>
  <!ELEMENT book (#PCDATA)>
  <!ELEMENT author (#PCDATA)>
  <!ELEMENT content (#PCDATA)>
  ]>

  この DTDで定義されているルート要素は、magazineinfo要素です。このファ
 イルに「sample.dtd」と名前を付けた場合の、XML文書からの取り込みは、

  <!DOCTYPE magazineinfo SYSTEM "sample.dtd">
  このような記述で、この DTD文書が XMLに取り込まれて、検証済み XMLにな
 ります。この場合の DTDファイルは XML文書と同じディレクトリにあることが
 分かります。
  なお、取り込む DTDファイルは1つだけです。それ以外の「ボキャブラリ」
 を利用したい場合には、「名前空間」を利用します。名前空間については、次
 回「第76号」にて詳しく解説する予定です。

◆DTD(文書型定義)作成のまとめ

 本誌「第65号」より何回かに分けて文書型定義について解説してきました。こ
の DTDは、XMLを作成する上で大変重要なキーワードです。
 要素名、属性、エンティティ、外部ファイルの取り込みなど、実に多岐にわた
ります。こうした DTDの決まり事や規則は、すべてHTMLにも盛り込まれています。

 文書型定義の何たるかを学ぶことは、正しいHTML文書作成のヒントにもなり得
ます。HTMLの仕様書とは、ある意味では DTDそのものともいえるでしょう。

 ■DTD宣言の種類
  ・要素型宣言
   要素の名前や階層構造を定義する

  ・属性リスト宣言
   要素の付加情報としての属性やデフォルト値を規定する

  ・エンティティ宣言
   置換え文字列などの「実体参照」を定義する

  ・記法宣言
   使用する外部ファイルが XMLデータ以外の場合の識別名を定義する

  これら4つの宣言をまとめて「マークアップ宣言」と呼びます。
 DTDの宣言は、XMLデータの自由な構造を作成する手段を提供します。そのデー
 タ構造を規定するのが DTDの役目であり、交換されるデータとして利用する際
 の文書構造を定義し、正しい情報を提供するための重要な手段なのです。

 ■正しいマークアップとは
  DTDは、XML文書を検証済み文書に変換します。検証された XML文書はネット
 ワークを通じ、世界中のあらゆるプラットフォーム上のコンピュータで処理さ
 れることを予定しています。

  DTDに従った正しい文書こそが、正しいマークアップ文書であることは、XML
 に限らず、HTML、XHTMLでもまったく同じ扱いであることを覚えてください。
 決して初心者向けではない XML講座の目的は、文書の論理構造を理解し、正し
 くマークアップするということ、すなわち、SGMLの本来の目的に適ったことを
 意味しています。

  HTML講座の中で何度も述べていますが、マークアップの本来の姿は、論理的
 にまとめ上げられた文書構造を提供するために、HTML、および XHTMLが定義さ
 れ ているということを思い出してください。
  正しくマークアップすること、文書構造を理解すること、仕様書を理解する
 ことなどが、XML習得の早道です。

  次回の XML初級講座は「名前空間」について詳しく解説する予定です。

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◆HTML、XHTML 属性の解説 src属性

 src属性とは、Webページ上で展開するファイルの URIを指定します。利用され
 るファイルとは、静止画像や外部スクリプト、HTML文書などです。

 ■src属性  利用したいファイルを指定する
 DTD:    すべての文書型定義で利用可能
 属性値:  URI(絶対パス、相対パス)
 記述法:  src="sample.jpg"
 関連要素: img、input、frame、iframe、script

 XHTMLの制限:特にありません。(frame、iframeは XHTML1.0 で利用可)

 静止画像を貼り付ける場合には、非常にポピュラーなこの属性を使うことにな
 りますが、フレーム(インラインフレームを含む)などでは、他の文書を表示
 させたい場合には、必須の属性となります。

  JavaScriptなどのような外部スクリプトを読み込む場合にも、よく利用され
 る属性でもあります。スクリプトの場合、HTML文書と異なる文字符号コードを
 利用して書いた場合には、合わせて charset属性を利用することが大切です。
  Webブラウザによっては、文字化けする可能性がありますので、charset属性
 を併用するようにしてください。

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◆W3C Day Japan 2003 講演会報告

 先週の金曜日(11月14日)、慶応大学三田キャンパスにて開催された W3Cの講
演会「W3C Day Japan 2003」に参加してきました。
 非常に興味深く、詳細でアカデミックな内容でした。必死にメモを取ったその
量は、ノートの30ページにわたりました。
 今回と次回の2回に分けて、その内容について簡単に報告します。

 ■Webの理念
 1989年、World Wide Webが発明され、その翌年の1990年に始めての Webページ
 が公開されました。私たち一般のユーザが Webを利用するようになったのは、
 さらにそのずっと後で、現在のように広く利用されるようになってから10年も
 経っていないのです。
  (そういえば、1969年の今日、インターネットの原型である ARPANETの実験
 に成功した記念の日でもあります。)

  現在の Webの普及に貢献したのが、HTMLです。ハイパーテキストという概念
 と、HTTP、及び URIという2つの機能を使うことで、世界中の情報にアクセス
 することが可能になりました。

  Webの本来の理念とは、
    Anyone  :誰でも
    Anywhere :どこでも
    Anytime  :いつでも
    Anyhow  :どんな方法でも
    Anydevice :どんな機械でも

  このような考え方で Webにアクセスすることを前提としています。HTMLは、
 これらすべてを満たすことはなかなか難しいと考えられています。特に「機械
 を選ばない」という理念を達成するためには、何らかの変更を加えなければな
 りませんでした。
  そうした中で発表されたのが、XHTML Basic でした。最低限必要な機能とい
 うものを、モジュール化することで、小型通信機器(携帯電話や PDAなど)に
 も対応させるという考え方でした。
  XHTMLとは、XMLのサブセットとして HTMLを再定義したものです。

  それでも、機械ごとに分けた Webコンテンツを併設することを避けることは
 できません。

 ■HTMLからXMLへ
 現在、Webの主流は HTMLから XMLに向かっています。つまり、HTML Webから、
 XML Web へ移行しようとしています。
  W3Cでは今後、HTMLを拡張するのではなく、XMLを基盤とした様々なボキャブ
 ラリを組み合わせることで、従来できなかった「意味」と「表現」を融合し、
 よりダイナミックで、インタラクティブなアクセスを考えています。
  そして、その前提はあくまで HTTP と URIという従来の機能の上で成り立っ
 ています。(詳しくは、次回の XML初級講座で)

  こうした考え方は、開発のコストやコンテンツ作成の容易さを物語っていま
 す。この日本でインターネットが普及を始めたその頃、1998年に XMLが制定さ
 れました。(XMLの歴史が比較的短いということを物語っています。)

  その XMLというリソースを利用することで、実現できることはたくさんあり
 ます。W3Cでは、XMLを利用し、何でもできる、何でも使えるようにするという
 考え方から、「セマンティックウェブ:Semantic Web」という言葉を使い始め
 ています。

 ■セマンティックウェブ(Semantic Web)
 あなたが海外旅行を計画したと仮定します。その計画を実現するために、飛行
 機、ホテルなどをインターネットから予約するとしたらどんな作業をしますか。
  何よりも日程、人数、予算が限定されます。それを前提として行き先を決め
 なくてはなりません。その上で、飛行機やホテルを予約するわけです。
  運良く飛行機やホテルが見つかった場合、そのたびに決済の画面でクレジッ
 トカード番号や個人情報を入力しなければならず、決してセキュリティの観点
 から安全とはいえません。

  もし、それらすべてのことが1つの Webサイト上で実現したらこんな便利な
 ことはありません。日程、予算、人数だけを入力すれば、残りすべてを自動的
 にやってくれるのです。
  つまり、日程に合わせて行き先や、飛行機、ホテルを予約し、その結果をあ
 なたに返します。必要なことは、日程、予算、人数だけの入力ですべてを検索
 して予約までしてくれるのです。あとは決断だけです。

  基本的な個人情報(名前、住所、クレジットカード番号など)は、たった1
 回だけで済みます。飛行機会社やホテルの選択の都度に入力しなくてもいいの
 です。海外旅行に限らず、国内旅行でも、映画のチケット予約でも、ショッピ
 ングに関するすべてを1つのポータルでできるのなら、多くの人たちが集まる
 ことができることでしょう。(もの凄いビジネスチャンスだ!)
  まさに Semantic Webとは、「知識」を持った Webになるわけです。

  現在の検索システムは、残念ながら決してよい結果を提供することができま
 せん。従来(今も) Web上にある情報は、それぞれが単独で独立しています。
 それらを結ぶものはハイパーテキストですが、それ以外の関連性はまったくあ
 りません。それが、検索機能を削ぐ結果になるのです。

  Semantic Webとは、そうしたことを XMLベース上ですべて行うことを可能と
 しています。ポータルに集まった飛行機会社やホテルなどを、同じフォーマッ
 ト上で展開し、ユーザにとって必要な情報だけを抽出し選択できます。
  「必要な情報だけを抽出する」ということがキーワードです。Semantic Web
 は、世界中にある Webサイトの点を線で結び、階層ごとではなく、選択肢ごと
 に抽出します。

  世界中にある Webコンテンツの「情報」は、人間に理解できても、残念なが
 らコンピュータには理解することができません。Semantic Webの概念は、そう
 した情報の基盤となるものを「メタ情報」として定義することで、各サイトに
 散らばった「情報」をある種の「データベース化」することによって、必要な
 情報だけを、同じフォーマット上に提供しあうということを骨子としています。

  Semantic Webの仕組みは、Webサイトの属性を、ただの HTMLではなくコンピ
 ュータが扱いやすい形で提供するための仕組みを考えようというものです。

  今後の W3Cの開発の軸は、この Semantic Webを中心にして行われます。
 それを達成するための技術や仕様が足早に決められていくことでしょう。時代
 は確実に、しかも急速に XMLへ移行しています。

  Semantic Web 関連サイト http://www.w3.org/2001/sw/

                            (以下、つづく)

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今回はここまで、ではでは・・
今週のおさらいは Webページにも掲載しましたので、是非見ておいてください。
Webページでは HTML文の実行結果のサンプルもあり、より分かりやすく説明して
います。あわせて過去の記事のおさらいも掲載しています。

 (今週のおさらい)
  http://www.scollabo.com/banban/magazine/review_075.html

 次回は、11月28日に配信を予定しています。

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質問・ご意見ははこちらまで→ banban@scollabo.com

 なお、ご質問の際には、あなたがお使いのOSや Webブラウザ、テキストエデ
ィタなど、なるべく分かりやすく制作環境を明記していただけると回答しやすく
なると思います。
 ただし、個人的な事由により返事が遅れることがあります。ご了承ください。
お急ぎの場合には、当サイト内の掲示板をご利用ください。きっと誰かが答えて
くれると思います。

発行者 ばんばん
協 力 スズキ・コラボレーション http://www.scollabo.com/
配信エンジン まぐまぐ http://www.mag2.com/  (ID 0000090196)

 誤字・脱字・変換ミス・表現欠乏などには、平にご容赦願います。

バックナンバー こちらで公開しています。
プレーンテキスト  http://www.scollabo.com/banban/magazine.html
各号のおさらい  http://www.scollabo.com/banban/magazine/
アーカイブ    http://www.scollabo.com/banban/daf/archive.html
まぐまぐの過去記事 http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000090196

配信の変更・中止はこちらです。
個別の手続きは受け付けていませんので、ご面倒でも各自でお願いできれば助か
ります。
当サイトにて http://www.scollabo.com/banban/magazine/top.html
まぐまぐにて http://www.mag2.com/m/0000090196.htm

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<えでぃた〜ず・る〜む>

 W3Cの初代会長のティム・バーナース=リーさんは現在、W3C COO(統括責任者)
として、主にエンジニアリングのディレクターを務めています。
 実際の年齢は不明ですが、非常にエネルギッシュで Webに対する情熱は計り知
れないほど若々しい印象を与えています。

 講演では比類なき早口で、同時通訳が追いつかないほどで、時には大きな声で
叫び、かと思うと哲学者の顔を見せてゆっくりと話します。とにかく WWWを発明
した人なので、話す内容はやや抽象的な感じもしましたが、ネットワーク、つま
り Webの未来をしっかりと見据えており、これからのインターネットを、もっと
驚きと感動を与えてくれるだろうことを期待してなりません。

 その意味でも W3Cの果たす役割は非常に重要で、大きなものであることに違い
ありません。今回の W3C Day 2003 に参加して思うことは、本当のところ私たち
はまだ何も分かっていない、ということでした。
 急速な進歩を見せる Webテクノロジーと W3Cの駆け引きは、想像していたより
もずっと先に行っていることが分かっただけでも収穫というところでしょう。

 今回の講演の中で、デモとして利用していた Webブラウザは、Mozilla、Amaya
の2つで、使用した OSは、WindowsXP、Macintosh OS 10.2 でした。非常に興味
深いものがあるような気がします。
 それにしても SMIL(Synchronized Multimedia Integration Language) のデモ
は、面白かったです。また RDF(Resource Description Framework)の最新の技
術は、XMLの今後の可能性を見たような気がします。

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最新更新日 2003/11/25
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