初心者のためのホームページ作り:第70号

                  毎週金曜日配信 What's New 2003/10/17
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  ┏              <第70号>

                banban@scollabo.com

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 当講座は、初心者や中級者が正しい文法と作法を身につけて、プロ級の本格的
な Webページ作成に役立つことを目的に配信されております。

 当講座では HTML4.01、XHTML1.1、XML1.0 を中心とした文法が主体となってい
ます。なお、このマガジンは等幅フォントでお読みいただくと快適に読めるよう
になります。

  今週のコンテンツ
      ■ Webデザイン 第16回 --- 検索エンジン
   ■ HTML講座  第16回 --- フレームその1
   ■ XML初級講座 第8回 --- 属性リスト宣言
    ■ 属性の解説(第2回) --- charset
   ■ Web関連ニュース --- プラグイン訴訟の衝撃

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◆Webデザイン(第16回) 検索エンジン

 検索サイトは、大きく分けて2つのタイプがあります。1つは、ディレクトリ
登録型というタイプで、サイトの URLを所定の手続きで登録するものです。代表
的な登録型検索サイトは、Yahoo などがあります。

 一方、もう1つのタイプが、検索サーチロボットによって収集した情報をデー
タベースに収めたサーチ型です。代表的な検索サイトは Google などがあります。

 ■Yahoo検索サイト
 Yahoo は、1日のプレビューが1000万を越えるほど人気の検索ポータルで、誰
 でも1度は利用したことがあるかもしれません。欲しい情報のほとんどは、こ
 のサイトだけでまかなえるほど豊富で非常に充実しています。
  また、Yahoo に掲載されるかされないかで、訪問者数が大きく違うことでも
 この検索サイトの人気のほどが分かります。

  Yahoo に掲載したい場合は、該当するカテゴリーから「サイトの推薦・依頼」
 を選んで、その後所定の手続きを経ます。
  問題がない場合は 100%受け付けてくれます。しかし、登録を受け付けても
 実際に掲載されるかどうかは分かりません。
  自分が登録したカテゴリーで、既に多くのサイトが掲載されていた場合に、
 「同じような内容だから却下」ということも実際にはあり得るのです。

  その昔、Yahoo では、まず間違いなく登録を受け付け、2〜3日後には掲載
 されていたのですが、インターネットの爆発的な普及に伴い、あまりにも多く
 のサイトからの登録に対処できなくなっているのではと推測します。
  一方で、公序良俗に反するサイトを掲載するのはけしからん、という風潮も
 あり、掲載までには長い時間の調査が必要になってきました。

 ■Google検索サイト
 サーチ型の代表的な検索エンジンで、Yahoo のような登録を必要としません。
  基本的には、世界中の Webサイトを巡ってデータを収集しますが、実際に反
 映されるまで時間が必要となっています。(1ヶ月に1度といわれている)

  サーチ型ロボットは、掲示板のデータも収集しますので、キーワードにマッ
 チしたサイトが得られるわけではありません。中には、存在していない(閉鎖
 された) URLもあり、その正確性には疑問があります。

  Googleでは、HTML文中の、meta要素を参照するわけではなく、独自の手法で
 コンテンツ内容の要約を収集し、検索結果として表示します。

 ■プライベート検索エンジン
 個人・組織で行っている検索サイトのほとんどで、登録型の検索サイトを構築
 しています。基本的には登録型なので、サイト内の登録ページで行われます。
  多種多様なサイトが集まり、それなりの賑わいを見せていますが、やはり代
 表的な検索サイトとは情報量で劣りますが、いたし方のないところです。

 どのような形の検索エンジンであれ、ホームページを開設している作者にとっ
ては気になるところでしょう。やはり、訪問者が多ければ張り合いも出ますし、
やる気にもなります。
 検索エンジンは、ある意味では作者にとって、自分のサイトの「広告」の価値
があります。無料で自分のサイトを掲載してくれるわけですから、うまく利用し
たいところです。

 ■検索エンジン登録代行(有償、無料を含む)
 一発太郎 http://ippatsu.net/TARO/
 検索エンジン登録ドットコム http://www.kensakuenginetouroku.com/
 サブミット登録代行 http://www.e-365.com/
 検索サイト登録サービス http://www.mediaweb.biz/promotion/

                  (第18回 アイデンティティにつづく)

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◆HTML講座(第16回) フレーム その1

 フレームは、ウィンドウを分割しメニューやコンテンツなどに分けて表示する
手法で、少なくないサイトで利用されています。
 便利なのは、メニューが固定されているため、閲覧者はいつでもトップページ
などに移動できます。ただし、フレームは非推奨とされており、いずれ廃止され
ることになっています。その点を含んでおきましょう。

  フレームページのサンプル
  http://www.scollabo.com/banban/magazine/mm/sample_70-1.html

 フレームは、あまり好まれないことで知られています。その理由を列挙しまし
た。以下の点で、フレームが嫌われています。

  ・フレーム未対応のブラウザでは閲覧できない
  ・複数のHTML文書を読み込むので、重くなる
  ・コンテンツ表示の画面が狭くなる
  ・印刷できない(特定のページの印刷ができない)
  ・ブックマークできない(特定のページのブックマークができない)
  ・他のサイトから特定のページにリンクすることが困難
  ・場合によっては、操作することができない

 数々の点でフレームは嫌われています。しかし、よくよく考えると、嫌われる
多くの要因はその設計にあるのではないでしょうか。
 正しい文法で、きちんとマークアップして、その作法を考慮することで、嫌わ
れるフレームを、少しでも嫌われないようにすることができます。
 今回は、「正しいフレームの使い方」に重点を置いて解説します。


◆フレームの欠点を知るべきである

 フレームは分割数の分だけ別途HTML文書が必要です。3つのウィンドウに区切
る場合は、最低3つのウィンドウに表示するHTML文書と1つのフレームを定義す
るHTML文書が必要です。そのため、表示までの時間がかかります。

 そこで、各ウィンドウに表示する文書をできるだけ簡素に軽くしなければなり
ません。特に画像は重くなるので、必要最小限にとどめます。また、フレームで
区切るウィンドウの数をできるだけ少なくすることも方法です。

 非視覚系ブラウザの中には、フレームに対応していないものが多いものです。
その場合、それらの閲覧者が情報から隔離され、作者にとっても閲覧者にとって
も悲劇です。しかし、少し手を入れることによって、その問題を回避できます。

 コンテンツ画面が狭くなるのもフレームの特徴です。提供する情報コンテンツ
を吟味して、ウィンドウの区切り方によっては、画面の狭さを回避することがで
きます。

 印刷する場合の手法を考えます。ほんの少し手を入れることによって、閲覧者
に印刷を提供することができます。ブックマークも同じことが言えます。

 他のサイトから特定のページにリンクすることもできないのが、フレームの特
徴です。しかしながら、検索サーチ型エンジンは、フレーム内の特定のページさ
えも登録してしまいます。
 もし、閲覧者が検索サイトからやって来た場合、そのページは表示できますが
そこから先にいけなくなる可能性があります。そうしたことを考慮して、メイン
コンテンツの文書に、パンくずリストなどのナビゲーションを設定しておくと、
閲覧者は、他の有益な情報を得ることができます。

 フレーム枠を非表示にした場合、閲覧者はフレームウィンドウを制御できなく
なります。メニューウィンドウの文字がフレームの外に出てしまった場合、それ
をスクロールしてみることができなくなります。
 フレームの枠はちゃんと表示できるように設計しなければなりません。

 大切なことは、フレームで区切るそれぞれのウィンドウで表示されるページが
単独で表示されても、閲覧者が快適に操作できることです。

 こうした問題を解決しながら、フレームを作成してみました

 フレームの作法に従ったサンプル
 http://www.scollabo.com/banban/magazine/mm/sample_70-2.html
 (その昔、個人のサイトを作ろうとして作成した未発表のものを無理やりアレ
  ンジしました。)


◆フレームの基本
 フレームは、非推奨扱いにされています。しかしながら多くの視覚系ブラウザ
では、ちゃんとサポートしています。ただし、最低限の規則があります。

 ■フレームを定義するHTML
 フレームは、一番初めにフレームを定義したHTML文書を用意しなければなりま
 せん。その上で、各ウィンドウに表示するHTML文書を用意します。
  フレームを定義するHTML文書の冒頭で、フレームの文書型定義を宣言します。
 ただし、各ウィンドウに表示するHTMLでは、必ずしもフレームの文書型定義は
 必要ありません。

 ■フレームの文書型定義
 フレームの文書型定義は、HTML4.01、XHTML1.0 でサポートされています。
  フレームを利用する場合には、その文書の冒頭で、フレームの文書型定義の
 宣言を行わなくてはなりません。

  HTML4.01 フレームの文書型定義
  <!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Frameset//EN">

  XHTML1.0 フレームの文書型定義
  <!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Frameset//EN"
      "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-frameset.dtd">

 (なお、XHTML1.1 では、フレームはサポートしていません。)

 ■noframes要素の利用
 フレームを定義するHTML文書では、フレーム未対応のブラウザに対して代替の
 コンテンツ、あるいはページを提供することができます。

  <noframes>
      <body>
       <p>このページはフレームで構成されています。
     あなたのブラウザではこちらへお進みください。
     <a href="index.html">代替コンテンツ</a></p>
      </body>
    </noframes>

 初心者の方が間違えやすいのは、noframe と記述してしまうことがあります。
 正確には noframes ですので、気をつけてください。
  なお、文中のbody要素は、フレーム未対応のブラウザへのコンテンツ表示の
 ために必須です。フレームに対応しているブラウザは、この要素内全部を無視
 します。


◆フレームの作法

 何よりもフレームでなければならない理由があるはずです。もし、フレーム以
外でも表現することが可能ならば、フレームを使わないほうが良いに決まってい
ます。その点を踏まえて、フレームを利用してください。

 ■ウィンドウでは他のサイトは表示させない
 フレーム内のウィンドウで、他のサイトにリンクする場合には、必ずフレーム
 を解除してからリンクするようにしてください。
  フレームを解除しない場合は、そのまま自分のウィンドウ内で表示されて、
 著作権の問題に触れることになります。

 ■適切な target属性
 これは、上記にも該当しますが、どのウィンドウで何を表示するのかをしっか
 り把握して設計することをお勧めします。

 次回は、実際にフレームを作成して、どうすれば嫌われないフレームにできる
 かを検証します。

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◆XML初級入門講座(第8回) 属性リスト宣言

 属性とは、要素の拡張機能を補完するために用いられます。
本誌「第64号」で説明したとおり、文書型定義:DTD では、属性を記述するため
の宣言、「属性リスト宣言」が定義されており、要素の付加情報としての属性や
デフォルト(初期値)を定義するために用います。

 HTMLにおけるアンカー要素 a では、以下の属性が定義されています。

  <a href="index.html">Home</a>
    <a name="index">Index</a>

 上記2つの大きな違いは何でしょう?
  1つは他の文書にリンクするためのアンカーを埋め込んでいます。そして、
 もう1つは、ある特定の場所に移動するアンカーを埋め込んでいます。

 この2つの記述は、同じアンカー要素であっても、属性とその値によって機能
が異なることに注意してください。つまり、要素における機能を決定付ける非常
に重要な役目があることを理解してください。

 通常 XMLでは、作者自身が任意に属性とその値を決めます。それらの機能を示
すのが DTDにおける「属性リスト宣言」です。

 ■属性リスト宣言
 属性リスト宣言では、要素の付加情報として、識別子やタイプといった属性を
 定義することができます。この属性は、画面表示やデータ処理におけるフラグ
 として利用したり、データの判別などに利用されます。

  属性リスト宣言では、要素の属性を定義し、以下のように記述します。

  <!ATTLIST 要素名 属性名 データ型 "デフォルト値">

 デフォルト値とは、言うなれば「暗黙の値」といえるでしょう。例えば、HTML
 で利用される table要素では、枠線指定をしない場合は、border="0"と解釈さ
 れます。つまり、border属性のデフォルト値は "0" であることです。
  これが「暗黙の値」で、デフォルトと規定します。

  また、デフォルト値を指定したくない場合の記述方法もあります。このよう
 な場合には、以下の2つのパターンがあると考えられます。 

   #REQUIRED 必須であること。つまりデフォルト値は要らない。
   #IMPLIED  任意であること。つまり余計なデフォルト値は要らない。

  もう1つ、特殊な場合として、属性値にただ1つの値しか認めない、という
 固定値の場合があります。例えば、必ずある値を持つ属性に対して、手間を省
 くために使われます。 この場合、デフォルト値の前に #FIXED を付けます。 

   #FIXED 固定した属性値であることを示す。

 ■属性のデータ型
 属性のデータ型(種別)は、大きく分けて3つあります。
 (これが、なかなか難しい・・)

 1.文字列型 String Type (CDATA型)
   ごく普通に読み書きする任意の文字列を表わします。

 2.トークン型 Tokenized Type (TOKEN型)
   ID、IDREF、IDREFS、NMTOKEN、NMTOKENS、ENTITY、ENTITIESなどのタイプ
   が存在し、識別子や ID などを定義します。

 3.列挙型 Enumerated Type
   データの候補を書き並べる型式。

  これらのデータ型については、次回「第71号」にて具体的に解説します。

 ■属性の作成
 以下の XMLインスタンスを参照してください。

  <magazine id="No.70">初心者のためのホームページ作り
      <content title="第8回">XML初級講座</content>
    </magazine>

 ここでは、2つの属性があります。
  magazine要素の id属性と、content要素の title属性です。

  では、この XMLインスタンスから想像する属性リスト宣言はどのようなタイ
 プがあるでしょうか。
  両者の属性値を見ると、1つは「号数」、1つは「回数」であることが理解
 できます。つまり、両者ともその値が変化する可能性を持っています。
  また、前者は識別子、後者は任意のテキストであると判断することもできる
 でしょう。
  考えられる属性の DTDは以下の通りであると予想できます。

    <!ATTLIST magazine id ID #IMPLIED>
   <!ATTLIST book title CDATA #IMPLIED>

  では、以下の XMLインスタンスではいかがでしょうか?

  <magazine>初心者のためのホームページ作り
     <author title="代理">臨時制作委員会</author>
    </magazine>

  このインスタンスでは、作者とその属性を記述しています。しかし作者は、
 もう1人「ばんばん」がいます。つまり、この属性では2つの値のどれかを選
 択しなければなりません。
  考えられる属性の DTDは、以下のように予想できます。

  <!ATTLIST author title CDATA (代理|主宰)> 列挙型属性リスト宣言

  この記述は、デフォルトとして、「代理」か「主宰」のどちらかを選ぶこと
 になります。それは、要素内容で異なると考えられます。

      <author title="代理">臨時制作委員会</author>
        <author title="主宰">ばんばん</author>

 ■属性と子要素
 データが属性として成り立つのか、それとも子要素とすべきかは判断の別れる
 とことです。しかし、属性とは、要素の付加情報であるということを考えると
 以下のインスタンスは、はたして属性として、とり得るでしょうか?

   <magazine info="メールマガジン">初心者のためのホームページ作り
    <book>初心者のためのホームページ作り</book>
      </magazine>

  同じ要素内容が続いてしまう書き方では、アプリケーションが困ってしまい
 ます。それぞれの要素内容が別であれば問題ないかもしれませんが、属性を使
 うまでもありません。

   <magazine>メールマガジン
    <bool>初心者のためのホームページ作り</book>
      </magazine>

  このように、属性のない記述がスッキリして、誰が見ても理解できます。
 属性を利用する場合には、むしろ、

   <magazine info="メールマガジン">
    <book>初心者のためのホームページ作り</book>
      </magazine>

  このように、親要素内で記述した方がいいかもしれません。
 いずれにせよ、属性を用いる場合には、要素を吟味する必要があります。

 次回は、データ種別の定義について、サンプルを提示しながら解説します。

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◆HTML、XHTML 属性の解説(第2回) charset

 ■charset属性 関連する文書の文字符号を指定するための属性です。
 属性値:  文字符号コード
 記述法:  charset="Shift_Jis"
 関連要素: a、meta、link、script

  一般的にこの属性を利用する多くは、HTMLのヘッダ部で記述する文書の文字
 符号コードの指定です。

 <meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=Shift_Jis">

 この記述は、そのHTML文書が、Shift_Jis という文字符号コードで記述されて
 いることを、ユーザエージェント(ブラウザなど)に伝えるために利用します。

 またこの他に、他の文書を参照する場合にも利用されます。この場合、自身の
 文字符号コードと異なる文字符合が使われる場合には、必ず用いるようにしま
 す。もし、その指定を怠ると、Webブラウザによっては文字化けを発生します。

 <script type="text/javascript" src="sample.js" charset="UTF-8">
   あるいは、
<link rel="stylesheet" type="text/css" href="sample.css" charset="UTF-8">

 もし、自分自身のHTML文書と、他の関連する文書の文字コードが一致していれ
 ば、上記のような charset属性で指定する必要はありません。

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◆Web関連ニュース
  現在 Web関連業界を巻き込んだ特許をめぐる問題についてクローズアップし
 ました。HTMLの仕様に関わる大問題に発展しています。

 ■MSIEの特許侵害
 今年8月、米国Eolas Technologies社が、ActiveXや Javaアプレット、プラグ
 インなどを利用可能な Webブラウザ関連の同技術が、無断で米国 Microsoft社
 によって用いられ、現在の Internet Explorer(以下MSIE)に組み込まれたと
 主張した裁判で、シカゴの連邦陪審員はこれを全面的に認め、総額 567億8900
 万円(!)の賠償を命じる衝撃的な評決を下しました。(1$109円で計算)

  1993年、Eolas Technologies社の創業者であるマイケル・ドイル博士を始め
 とする米国カリフォルニア大学の研究チームは、単に WebブラウザでHTML文書
 を表示するだけではなく、同じプラットフォーム上でアプリケーションをシー
 ムレスに動作させられる「Web Application Platform」技術、つまり、ブラウ
 ザが外部アプリケーションを起動する際の技術を一般公開しました。

  その後、ドイル博士を中心として、Eolas Technologies社を1994年に設立し
 WAPに関する特許技術を申請、1998年に取得しました。

  簡単に説明すると、多くのプラグインツールを利用するMSIEの独自規格であ
 る embed要素などがその標的になったのです。
  この embed要素は、マクロメディア社の Flashや、動画、Javaアプレットな
 どを Webページに埋め込む際に利用され、MSIEに限らず多くの視覚系ブラウザ
 でサポートされています。

  Eolas社が勝訴して以来、この脅威は Webソフトウェア業界を震撼させ、マ
 イクロソフト社が予定している控訴審によっても決定が覆されない場合に備え
 この特許と共存していく方法を取るか、あるいは別の手段を選択しなければな
 らなくなったのです。
  (9月12日 公判後、マイクロソフト側の申し立てが却下されました。)

  アプレットやプラグインは、ほかの各種 Webブラウザにとっても非常に重要
 な機能であるため、Eolas社の訴えに関する判断は MSIEとブラウザ市場で競合
 するノルウェーの Operaや、Mozilla、KDE(K Desktop Environment) といった
 オープンソースグループに貢献するボランティアデベロッパーにも影響を及ぼ
 す可能性があります。 

  しかし、問題はもっと深刻で、embed要素だけでなく、HTML4/4.01 で標準仕
 様に定義されている object要素も同じ特許に抵触しているのではないかとい
 う疑問が提起されました。

 ■HTMLの仕様変更?
 Web関連技術の標準仕様を策定している W3C(World Wide Web Consortium)で
 は、事実上の標準ブラウザとなっているMSIEに浮上した特許の「脅威」を受け
 戦略グループを立ち上げ Webの標準となっているマークアップ言語 HTML への
 影響について検討を開始しました。

  業界における不安を取り除くために、現在のHTMLの仕様を変更するのか、あ
 るいは、この技術は元々あった「先行技術」としてその妥当性を見つけて主張
 するのか、いずれにせよ早急な選択に迫られています。

  選択肢によっては、膨大な数の Webサイトで書き換えを要求されたり、プラ
 グイン技術が完全に廃止されるなどの形で、インターネットが混乱するのでは
 ないかと、いろいろな人々が戦々恐々とし、より混乱に拍車をかけています。 
  特に、マクロメディア社の Flashによるムービーファイルを採用しているサ
 イトでは、決定的なダメージを負うことになりかねません。

  同時にもし、マイクロソフト社がブラウザの仕様を変更した場合、現在公開
 されている圧倒的多数の Webサイトの閲覧に大きな問題が発生することは明ら
 かです。私たち Web制作の現場でも、大混乱に陥ることになるでしょう。
  事実、マイクロソフト社側では、MSIEの仕様の変更を検討しているという主
 旨を W3Cに伝えています。
  これは、他の視覚系ブラウザにも当てはまることになります。

 (この原稿作成時に変化がありました。)
  先週10月6日、マイクロソフト社は MSIEの仕様変更を行う旨を発表しました。
 変更されたMSIEは、遅くとも来年初頭には配布可能としています。
  詳細はまだ分かりませんが、従来のオブジェクト埋め込みのページを閲覧す
 ると、「再生しますか?」などというダイヤログボックスが表示されるという
 ことのようです。

  また、マクロメディア社も、MSIEの変更に対応した体制についても明らかに
 しました。MSIEに今後加えられる変更の情報、関連ツールやリソースを提供す
 る予定で、既に「変更前・変更後」のHTMLやスクリプトの例をいくつかを同社
 の Webサイトで掲載しています。
  開発者はこれを参照して、手作業で該当する Webページに修正を加えるか、
 サイト全体を修正するスクリプトを記述する必要に迫られます。
  さらに同社では、修正ツール「Active Content Update Utilities」を無償
 で提供する予定です。(このマガジン配信時には、修正ツールが提供されてい
 るかもしれません。)

  まさに「青天の霹靂(へきれき)」とも言えるこの問題については、状況が
 変化した場合を含め、適時このコラムで取り上げていきます。

 参考資料サイト
 マイクロソフト(英語)
  http://www.microsoft.com/presspass/press/2003/oct03/10-06EOLASPR.asp

 マクロメディア・アクティブコンテンツデベロッパーセンター(日本語)
 http://www.macromedia.com/jp/devnet/activecontent/

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◆Webサイト更新情報

 XMLに関連するドキュメントを掲載しました。XML初級講座で触れたことや、今
後予定している内容などを含めて掲載しています。お暇の節にご利用ください。

 XML関連
   http://www.scollabo.com/banban/senior/xml/index.html

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今回はここまで。
 今週のおさらいは Webページにも掲載しましたので、是非見ておいてください。
Webページでは HTML文の実行結果のサンプルもあり、より分かりやすく説明して
います。あわせて過去の記事のおさらいも掲載しています。

 (今週のおさらい)
  http://www.scollabo.com/banban/magazine/review_070.html

 次回は、10月24日に配信を予定しています。

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質問・ご意見ははこちらまで→ banban@scollabo.com

 なお、ご質問の際には、あなたがお使いのOSや Webブラウザ、テキストエデ
ィタなど、なるべく分かりやすく制作環境を明記していただけると回答しやすく
なると思います。
 ただし、個人的な事由により返事が遅れることがあります。ご了承ください。
お急ぎの場合には、当サイト内の掲示板をご利用ください。きっと誰かが答えて
くれると思います。

発行者 ばんばん
協 力 スズキ・コラボレーション http://www.scollabo.com/
配信エンジン まぐまぐ http://www.mag2.com/  (ID 0000090196)

 誤字・脱字・変換ミス・表現欠乏などには、平にご容赦願います。

バックナンバー こちらで公開しています。
プレーンテキスト  http://www.scollabo.com/banban/magazine.html
各号のおさらい  http://www.scollabo.com/banban/magazine/
アーカイブ    http://www.scollabo.com/banban/daf/archive.html
まぐまぐの過去記事 http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000090196

配信の変更・中止はこちらです。
個別の手続きは受け付けていませんので、ご面倒でも各自でお願いできれば助か
ります。
当サイトにて http://www.scollabo.com/banban/magazine/top.html
まぐまぐにて http://www.mag2.com/m/0000090196.htm

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<えでぃた〜ず・る〜む>

 プラグインに関する特許問題について、同じ仕様のブラウザは他にも幾つかあ
るにもかかわらず、何故マイクロソフト社が狙われたのでしょう。

 マイクロソフト社をめぐる訴訟は幾つかありますが、これほど全面的に敗訴し
た例は初めてのことです。吹けば飛ぶような小さな会社(失礼!)が、巨人企業
をやっつけたわけですから、「快挙」といえばその通りかもしれません。

 しかし、「どうして今頃?」という気もしなくありません。
プラグインツールを利用する手法は、既に誰もが利用し、数え切れないほどのサ
イトで実装済みです。その全部を書き直さなければならない事態に陥った今、こ
れから先、どのような特許問題が噴出するのか分からない不安があります。

 そういえば昨年、JPEGの特許について訴訟がありましたが、裁判所はその訴え
を認めなかった経緯があります。もし、それが勝訴していたら、もっとトンデモ
ないことになっていたに違いありません。

 また、オープンソースとしてその地位を築いた Linuxでさえ、UNIXのある部分
のソースコードを侵していると、現在、米国で訴訟騒ぎに発展し、泥仕合の様相
を呈しています。

 特に Web関連ソフトウェア企業では、ある日突然、「お前のソフトは特許に抵
触しているので、このまま使用続行の場合には、金を払え!」という手紙が届く
可能性があり、各ベンダーは不安におののいていることでしょう。

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◆著作権について
個人がご自分のPCに保存して利用する以外の記事の転載、引用は基本的に応じ
ておりません。記事中の内容について、無断で使用することを固く禁じます。
 なお、記事中のスタイルシート、HTMLなどをご自分のページ作成に自由に使っ
ていただいても差し支えありません。

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最新更新日 2003/10/22
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