初心者のためのホームページ作り:第55号

                   毎週金曜日配信 What's New 2003/6/13
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
       初心者のためのホームページ作り/Web for beginner
           http://www.scollabo.com/banban/

                <第55号>

             banban@scollabo.com

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

 当講座は、初心者や中級者が正しい文法と作法を身につけて、プロ級の本格的
な Webページ作成に役立つことを目的に配信されております。

 当講座ではHTML4.01及び XHTML1.1 を中心とした文法が主体となっています。
なお、このマガジンは等幅フォントでお読みいただくと快適に読めるようになり
ます。
  等幅フォントに関しては、「まぐまぐ」の http://www.mag2.com/faq/mua.htm
を参考にしてください。

  今週のコンテンツ
      ■ JavaScript講座 第10回 --- オブジェクトのメソッド、プロパティ
   ■ Netscape Navigator の JSSS(JavaScript Style Sheets)とは?
   ■ 2大ブラウザ MSIE と Netscape の行方
   ■ Microsoft Office System 2003 Beta を使ってみる

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

◆JavaScript講座 オブジェクトのメソッドとプロパティ

 JavaScriptとは、オブジェクト指向言語を簡素な仕様にまとめられた Web上で
動作することができるプログラム言語です。
 JavaScriptでは、あらかじめ数種類のオブジェクトが用意されており、作成者
はこれらのオブジェクトを利用して実際のスクリプトを作成します。

 ■オブジェクトとは?
 オブジェクトを一言で述べると「モノ」です。
  JavaScriptでは、ウィンドウ、文字列、フォームや画像、色、ドキュメント
 などの「モノ」を制御する「オブジェクト」という機能が備わっています。
  オブジェクトを知ることで、容易にスクリプトを作成することができます。

  JavaScriptのオブジェクトを簡単に紹介します。オブジェクトは大きく分け
 て以下の通りです。なお、オブジェクトの中にある下位オブジェクトもあわせ
 て掲載しました。
  オブジェクトの記述の際、大文字と小文字を厳格に区別しますので注意して
 ください。


 ○ window
 ブラウザ自身や、アラート、新規ウィンドウや、各種ダイアログボックスの情
 報を提供したり、操作を行うオブジェクト。
  windowオブジェクトは、JavaScriptのオブジェクト階層の最上位に位置し、
 このオブジェクトの下位階層のオブジェクトには、以下の4つが含まれます。
  (location、hisitory、Frame、document)

 ○ location
 現在表示されているページのロケーション(URL)情報を参照したり、または設
 定したりすることを主体としたオブジェクト。

 ○ history
 Webブラウザが持つ訪問の履歴を扱うオブジェクト。

 ○ Frame
 フレーム構造で表示される各ウィンドウの情報を提供したり、操作を行うオブ
 ジェクト。

 ○ document
 HTMLファイル、及びそこで示されるすべてのドキュメントの情報を参照したり
 操作したりするオブジェクト。ドキュメントには、文字列、画像、フォーム、
 リンクなど、ページ上にあるすべてのオブジェクトが含まれます。
  下位オブジェクトには、以下の7つが含まれます。
  (Anchor、Applet、Area、Form、Image、Link、Layer(注1))

 ○ Area/Link
 <a href=" 〜 "> で定義されるリンク、またはイメージマップで定義されるリ
 ンクを操作するオブジェクト。

 ○ Applet
 Javaアプレットを参照するオブジェクト。
  Java言語で記述されたアプレットやクラスファイルなどを参照します。

 ○ Anchor
 <a name=" 〜 "> で定義されるアンカーを操作するためのオブジェクト。

 ○ Image
 画像に関する情報の操作をしたり、提供するオブジェクト。画像の情報とは、
 画像名や大きさ、余白などを扱います。

 ○ Form
 ドキュメント中のフォームを参照、または設定するオブジェクト。
  下位オブジェクトには、以下の10個が含まれます。
  (Button、Checkbox、FileUpload、Hidden、Password、Radio、Reset、
   Text、Textarea、Select、Element)

 ○ Element
 ドキュメント中のフォームにある各エレメントを参照、または設定するオブジ
 ェクト。エレメントはフォーム中の入力フィールドの構成部品や、その名前を
 扱うものです。

 ○ navigator
 ユーザエージェントに関する情報を参照、または設定するオブジェクト。特に
 ブラウザのバージョンやアプリケーション名などの情報を扱います。
  下位オブジェクトには、以下の2つが含まれます。
  (MimeType、Plugin)

 ○ MimeType
 ユーザのブラウザで利用できる MIMEタイプを配列として扱うオブジェクト。

 ○ Plugin
 ユーザのブラウザにインストールされている使用可能なプラグインを配列とし
 て扱うオブジェクト。

 ○ Array
 配列を定義するオブジェクト。新しい配列を作成するためには newステートメ
 ントとともに利用します。

 ○ Boolean
 真(true)と、偽(false)を扱うオブジェクト。
 通常は明示的に作成しませんが、引数を省略するか、false、0、空の文字列の
 いずれかを指定した場合には false、それ以外は true が適用されます。

 ○ Date
 日付や時間を参照したり設定するオブジェクト。日付を設定する場合は、日付
 をあらわす文字列("2003/6/13","June 13,2003"など)を引数として指定しま
 すが、指定されない場合は、現在の日付と時刻が適用されます。

 ○ Event
 発生したイベントの情報を扱うオブジェクト。イベントが発生すると、その情
 報(種類や位置など)を格納します。

 ○ Emded
 プラグインを扱うオブジェクト。ただし、オブジェクトの数しか参照できない
 ため、詳細なプラグインを調べるには、Pulginオブジェクトを利用します。

 ○ Function
 新たな関数の作成、関数の呼び出し元や、関数の引数などを参照したりするオ
 ブジェクト。

 ○ Number
 数値を扱うオブジェクト。特殊な数値などを表す値を扱うことができます。
 このオブジェクトの引数で示される文字列を指定した場合には、文字列とし
 てではなく数値として処理されます。

 ○ Object
 引数に指定した値によって、数値、あるいは文字列、真偽値、関数などのい
 ずれかのオブジェクトを生成するオブジェクト。
  普段はあまり使用することがありません。任意に新しいオブジェクトを生
 成する場合、newステートメントを使用します。

 ○ screen
 ユーザのディスプレイ・モニターのサイズや使用できる色の数などの情報を
 扱うオブジェクト。
  任意にブラウザ画面の大きさや位置などを参照、あるいは設定することが
 できます。

 ○ String
 文字列を扱うオブジェクト。文字列の装飾、検索、置換などを行います。
 文字列オブジェクトを作成する場合には、newステートメントを使用します。

 ○ Math
 数学関数を扱うオブジェクト。サイン、コサインなどの数学関数を利用する場
 合に用いられます。

 ○ RegExp
 正規表現を扱うオブジェクトです。
  正規表現とは、テキストデータの中のパターン認識に使われ、テキストデー
 タを判定し、真(true)か、偽(false)の回答をします。
  特定の文字列ではなく、文字列の一部を一般化して表現するための手法で、
 もともとはコンピュータ言語理論の分野において、字句(変数名や予約語、そ
 の他の識別子)を一般化して定義するために考案された表現手法です。
  このオブジェクトは、そうした正規表現を検索したり、変更、設定などを扱
 うオブジェクトです。

 ○ argument
 関数(Function)の引数を表すオブジェクト。


 オブジェクトとは、それ自体が何かをするのではなく、必ずメソッド、プロパ
ティとともに記述して初めて動作するものです。
 その意味でも、各オブジェクトであらかじめ定義されているメソッド、プロパ
ティを知ることは、JavaScriptを学ぶ上で、非常に重要な意味があることがお分
かりいただけるでしょう。
 JavaScriptをマスターする上で、オブジェクトは欠かせないのです。

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

◆オブジェクトのメソッド

 メソッドとは、各オブジェクトであらかじめ定義されている「関数」といわれ
るもので、複雑なプログラムを記述することなく、メソッドを利用することで簡
単に実行できるプログラムの一種です。

 例えば、Mathオブジェクトで定義されているメソッド「sqrt」では、引数に示
される平方根を返しますが、その場合、

 n = Math.sqrt(3);
 document.write(n);

 これは、sqrtメソッドの引数に指定された数値 3の平方根を求め、その値を変
数 n に代入しています。
 また、write という documentオブジェクトのメソッドで 引数に指定された値
を表示させます。この場合には、オブジェクト名+メソッド+引数、という形で
記述されています。
 ただし、オブジェクトで定義されていないメソッドを指定した場合は、エラー
になるか無視されますので注意してください。

 メソッドを利用する場合には、

 オブジェクト名+メソッド(引数);

この原則をしっかり身につけてメソッドを利用するようにします。
 なお、引数には、対象となる文字列、数値、数式、変数などが配置されます。
引数が何もない場合には、単に () とします。

 オブジェクトにはそれぞれで定義されているメソッドを利用することで、比較
的簡単に実行スクリプトを作成する機能が備わっています。


◆オブジェクトのプロパティ

 プロパティとは、オブジェクトであらかじめ定義されている役割情報を示した
もので、オブジェクトが持っている属性を参照したり設定したりします。

 基本的に、オブジェクトの記述だけではプログラムが動作するわけではないの
で、プロパティ(あるいはメソッド)とともにプログラミングします。

 例えば、documentオブジェクトが持つプロパティ、bgColor を利用することで
背景色を参照したり、設定することが可能です。

 n = document.bgColor;          (背景色を参照:変数 n にその値を代入)
 document.bgColor = "#ffffcc"; (背景色を設定)

 プロパティは、このようにオブジェクトのプロパティを参照する場合、

  ■ 変数 = オブジェクト名+プロパティ

 また、オブジェクトのプロパティを設定する場合

   ■ オブジェクト名+プロパティ = 対象となる文字列、数値、数式、変数

というように記述します。


◆オブジェクトを制する
 オブジェクトを知り、メソッド、プロパティを自由に操ることで、誰でも簡単
に、JavaScriptのプログラムが作成できるのです。

 そのためにも、JavaScriptの各オブジェクトの意味とメソッド、プロパティを
マスターすることが、JavaScriptプログラムの早道なのです。

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

◆制御文

 制御文は、それ自体がプログラムの流れを制御します。例えば for構文は、条
件が満たされるまでブロックで示されるプログラムを繰り返し実行します。

 繰り返しを制御する for構文では、引数に初期値、条件式、論理式を設定した
上で、そのブロックにプログラムを示します。

 for ( n=0; n>=-10; n--) {
     document.write(n);
  }

 この条件式は、初期値が 0 の変数 n が -10になるまで、ブロックで示される
プログラムを繰り返します。(0 〜 -10 までの数字が表示される)

 制御文をうまく利用することで、条件分岐したり、関数の戻り値を設定したり
さまざまなプログラムの動きを制御することができます。

 制御文一覧は、「今週のおさらい」に掲載しました。

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

◆ビルトイン関数

 ビルトイン関数とは、JavaScriptで最初から組み込まれている関数のことで、
実際にはどのオブジェクトにも属さないため、どの場所でも任意に処理を実行す
るプログラムを持っています。
 JavaScriptにおけるビルトイン関数は、以下のように定義されています。

 ○ escape
 escape関数は指定した値(文字列)を ISO Lathin 1(ASCII)文字コードにエン
 コードして返します。

  構文: escape(string)  string=変換対象の文字列

 ○ eval
 eval関数は、文字列を引数として渡されることで、その文字列を評価して結果
 を数値に返します。
  また、この文字列の中には、様々なJavaScriptのプロパティやメソッドなど
 も記述することもできるので、何らかの算術式等を渡して、その結果を得るよ
 うな用途に使われます。

  構文: eval(string)   string=JavaScriptを含んだ文字列

 ○ isFinite
 isFinite関数は、eval関数で指定される文字列を解析し、数値や数式ならば、
 真(true)、それ以外ならば偽(fales)を返します。

  構文: isFinite(Number)  Number=調べる対象の文字列

 ○ isNaN
 isNaN関数は、引数に指定された値を解析して数値に変換し、変換できないも
 のは NaN(Not a number:数字ではない) を返します。

  構文: isNaN(valur)  value=調べる対象の値

 ○ perseFloat
 perseFloat関数は、与えられた文字型の引数を実数値に変換して返します。
 与えられた引数の中に、符号や数値、小数点以外のものが含まれた場合、先頭
 から解析して変換不能な文字に当たった場所までの値を変換して返します。
  なお、先頭の文字が既に変換不能であった場合の変換結果は 
 NaN(Not a number)になります。

  構文: parseFloat(number)  Number=変換対象の文字列

 ○ perseInt
 perseInt関数は、引数として与えられた文字列を解析し、指定された値を根と
 する整数に変換して返します。例えば、8進数で表された「10」を引数として
 与えると、答えは 8に、16進数で表されている「10」を引数として与えると 
 16を返します。
  なお、16進数の場合、0〜9移行の数字はそれぞれ A〜F までのアルファベッ
 トが使用されます。そして変換不可能な文字が存在していた場合、先頭から変
 換して変換不能な文字に当たった場所までの数値を返し、先頭にこのような文
 字がある場合は NaN(Not a number) を返します。
  また、数値を変換する際には、小数点以下の数値は切捨てが行われます。

  構文: parseInt(string[,radix])  string=文字列、radix=基数

 ○ String
 String関数は、指定された値やオブジェクトを文字列に変換します。

  構文: String(obj)  obj=変換対象のオブジェクト

 ○ unescape
 unescape関数は指定した ISO Lathin 1(ASCII)文字コードを、文字列にエンコ
 ードして返します。

  構文: escape(string)  string=変換対象の ASCII文字列

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

◆まとめ

 JavaScriptとは、オブジェクト、メソッド、プロパティ、制御文、あるいはビ
ルトイン関数などからプログラムされるということがお分かりいただけたと思い
ます。

 このJavaScript講座で示されてきた今までのスクリプトは、必ずオブジェクト
と、そのメソッド、またはプロパティ、そして制御構文、ビルトイン関数などを
利用して記述しており、今後もそれらを欠かすことはできません。


 メソッド、プロパティ、および関数、制御文一覧(JavaScriptを使用)
 http://www.scollabo.com/banban/jsindex/   ※ 約330種以上を掲載

 オブジェクト一覧
 http://www.scollabo.com/banban/java/object.html


 いずれ、すべてのメソッド、プロパティ、制御文などのサンプルを作成するつ
もりです。大変な作業量になりますが、時間をかけていいものを作りたいと思っ
ています。(完成はいつになることやら・・)

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

◆Netscape Navigator の JSSS(JavaScript Style Sheets)とは?

 Netscape Navigator 4.0で定義されたスタイルシートで、基本的には、このブ
ラウザのみサポートされた、JavaScriptによってスタイルシートを記述するもの
です。早い話が、ブラウザ独自仕様というわけです。
 読者から質問があり、その記述法を知りたいというので、この場で簡単に説明
します。

 しかし、JSSSは、あくまで Netscape Navigator 4.0xバージョン以外では再現
することができません。その点に留意してください。Netscape 6.0以降では、す
べての独自仕様は廃棄されています。

 Dynamic HTMLが全盛だった頃、多くの Web制作者が好んで利用したものです。
当時は、Netscapeも元気で標準的なブラウザとしての地位がありました。
 しかし、CSS がい一般的に馴染みだした今日を考えると、JSSSの利用価値は、
まったく無いといっても過言ではありません。

 ■JSSSの記述
 基本的には、CSS(Cascading Stylesheet)と同じ属性を利用しています。
  JSSSは、外部に置くか、ヘッダ部で記述します。

 <style type="text/javascript">
  <!--
      JSSSの記述
  //-->
  </style>

  スタイルシートを利用する人から見れば、「おや?」と思うかもしれません。
 通常、style要素の type属性で示す値は "text/css" でなければならないので
 すが、JSSSは、JavaScriptに分類されるため、そのMIMEタイプは "javascript"
 になるわけです。当然、コメントアウトも、//--> とします。
   link要素で外部スタイルシートとする場合のMIMEタイプは "jss" となります。

      document.tag.p.color="#000099";

  この記述の仕方は、まさにJavaScriptです。文書中の p要素の文字色を青色
 に設定した JSSSの記述法です。

  また、クラスを設定する場合には、

    classes.bgc.backgroundColor="#ffffcc";

  これは、クラス名「bgc」に対して、背景色を設定しています。
 HTMLの構文は、

  <div class="bgc"> 〜 </div> この範囲に背景色が適応されます。

 JSSSには、この他 id属性などもサポートしております。

 ■JSSSは死んでいる・・?
 この JSSSという JavaScriptベースのスタイルシートは、一時は一世を風靡し
 ましたが、それはほんの一瞬でした。その後、各ブラウザで CSSがサポートさ
 れると Web制作者は一斉にその手法を取り込むようになり、JSSSは見事に忘れ
 去られ、もはや誰も使おうとはしません。

  NetscapeNavigator 4.x はすでに過去のブラウザになってしまい、この欠陥
 だらけのブラウザを利用するユーザも圧倒的に少なくなりました。
  Netscape が、何故 JSSSを採用したのか今となっては知ることができません
 が、激しいブラウザシェア争いの中で、少しでも優位に立つことを狙っていた
 ことを想像されます。

  くどいようですが、JSSSは今はどのブラウザもサポートしておりません。つ
 まり、JSSSはもはや過去の遺物であり、今後2度と日の目を見ることはないで
 しょう。

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

◆コラム --- 2大ブラウザ MSIE と Netscape の行方

 もはや2大ブラウザとは言える状況ではないかもしれません。Netscapeの落ち
込みが異常と思えるほどで、第3勢力である Operaなどにその地位が奪われつつ
あります。

 現在、世界中の Webブラウザの市場占有率で、MSIEは95%を超えているといわ
れ、Microsoftの寡占状態が続いています。これも異常なことです。

 そうした中で、Microsoft Internet Explorer 7.0 の登場に幾つかのうわさが
流れています。過去の経緯を見てみると、MSIEのバージョンアップは、常に最新
の OS の発表と相前後していました。
 WindowsXPがリリースされたときには MSIE6.0 が発表されており、その後2度
ほどマイナーアップグレードがありましたが、基本的には既に3年近く経ってい
ます。

 一方で、米国 Microsoft社と AOLタイムワーナー社との訴訟問題で和解が成立
し、互いに協力関係を強固にすることで、AOLの子会社である Netscapeの今後の
動向が注目されます。

■ MSIEの行方

 つい最近、Microsoftの新しい OS(Longhorn)は、2004年末〜2005年に出荷す
ると発表されました。(Longhornについては、いずれこのコラムでお伝えします。)
 そうすると、MSIEの新バージョンは当分先になると予想されますが、一方では
MSIEそのものがなくなるのではないかとも言われています。

 WindowsXPから搭載されているブラウザ、MSN Explorerをご存知だろうか?
非常にエンターテイメント色が濃い、カラフルな Webブラウザですが、何よりも
Microsoft のポータルにアクセスし、ログインしなければ使うことができない、
閉鎖的なブラウザです。
 しかしながら、マルチメディア、メール、メッセンジャーなどが統合されてお
り、これ1つで Webに関するすべてがまかなえる点では、初心者にとって大きな
武器になるものです。
 別途契約することで、サーバの領域が割り当てられ、デスクトップ環境でさえ
Web から利用できる Webサービスを展開しています。最近では Macintosh用のサ
ポートも始めました。

 Microsoftは、ブラウザ開発機能を MSIEから切り離し MSN部門に移すことで反
トラスト法(米独占禁止法)訴訟での追及をかわすという効果が期待できるとい
うようなうがった見方をすれば、MSIEの開発をやめてしまう可能性は十分考えら
れるのではないでしょうか。

 そしてもう1点、今年の秋に投入が決定している次期 Office2300 です。
今、私の手元にベータ版の Microsoft Office System が届いています。XML完全
対応という「売り」が今度のオフィスソフトの目玉です。

 この Office2300 は「System」という名がついている通り Webと、Officeデー
タをシームレスな環境に置き、他のアプリケーションからも参照可能という、い
わば XMLの能力、データの意味を理解することが可能です。
 つまり、企業の業務クライアントを中心に狙ったソフトウェアであるというこ
とが想像できます。

 企業で利用する Webブラウザは非常に使いにくいもです。基本的にブラウザは
表現を中心に作られ、業務における入力作業に関しては、もの足りないのです。
 新しい Office2300 では Web上のデータとシームレスに動作させることが可能
なため、特に Webブラウザを必要としないのです。

 次期 OS「Longhorn」も、XMLに完全対応となっています。今後の Webサービス
のあり方を考えると、果たして MSIE の新しいバージョンは作られないのではな
いのか、という憶測は後を絶ちません。


■ Netscapeの行方

 先月末(5月29日)、米国最大の複合メディア最大手 AOLタイムワーナー社と
Microsoft社との Webブラウザをめぐる反トラスト法(独占禁止法)違反訴訟で、
同社は和解が完了し、歴史的な出発となりました。

 つまり、お互い対立していた裁判の和解案は Microsoft社が AOL社に対し、7
億5000万ドルの和解金を支払うことで合意し、なおかつ AOL社と協力関係を強化
し、無料でブラウザー技術の使用ライセンスを提供すること、インターネットを
通じたビデオや音楽配信などのデジタルメディア技術の高度化で協力、さらに、
次世代ウィンドウズに関わる技術情報を全面的に AOL社に提供することまで発表
されました。

 AOL社は、ご存知の通り Netscape社を買収し傘下におさめています。Netscape
は、AOLの庇護の下、細々と開発していましたが、今では完全に「Mozilla」ブラ
ウザの焼き直しでしか過ぎません。

 AOL社と、Microsoft社との今後の協力体制が続くならば、Netscape はその役目
を終わることになるでしょう。既に、Netscapeの技術者たちは転職活動に精を出
す有様なので、Netscapeの開発は止まっています。

 1997年くらいまでブラウザシェアの 90%を誇っていた Netscapeは今まさに、
その姿を消そうとしています。このことは Web制作者にとって、非常に感慨深い
ものがあります。

 このような現実を考えると「ブラウザの雄」としての地位を築き上げた過去の
栄光だけが歴史に残り、Netscapeは忘れ去られていく運命なのかもしれません。

 一方で Microsoftの次世代に向けた新しい戦略と、他の Webブラウザの動向は
当分目を離せないことでしょう。

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

◆Microsoft Office System 2003 Beta

 先週、私の手元に次期マイクロソフト Office2003 と呼ばれる日本語ベータ版
が来ました。今年の秋から冬にかけて発売が予定されています。
 ビジネスシーンにおけるマイクロソフトの Office ソフトは、Word、Excel、
あるいは、PowerPoint は、依然としてビジネス3種の神器となっており、業界
標準(デファクト・スタンダード)の感があります。

 添付のリリースノートによるとインストールできる OS が限定されており、い
ずれも WindowXP/Windows2000 SP3のみとなって、いずれも 32ビットで規格化さ
れています。それ以前の OS は今回の Office では、サポートされておりません。
Mac版は出るのだろうか?

 また、分かっているライセンスも、

 Professional Enterprise Edition
  Professional Edition
  Standard Edition
  Personal Edision

  と、大きく4つに分かれており、インストールされるソフトウェアによって異
なっています。販売価格も大きく違うでしょう。

 今回の Office2003 は「System」という名が冠せられています。いったい何が
違うのか、私のパソコンにインストールしてその使用感、変更箇所、インターフ
ェイスなどを数回に分けてご報告します。

 ■Office XP の現状
  面白いことに現行の、Office XP の利用状況ははかばかしくなく、全米でも
 たったの6%程度の普及率にしか過ぎません。
  この多くの理由は、例のアクティベーションという認証システムによるとこ
 ろから、会社と自宅で同じソフトを買わなければならず極局、従来のバージョ
 ンを継続して利用することが多いためといわれています。
  また、世界的な不況により、企業が買い控えたことも要因になっています。

  私の会社でも、主流のバージョンは Office 2000です。別に新しいバージョ
 ンがなくても業務には支障を起していません。取引先の多くが、このバージョ
 ンを利用しているので、アップグレードする必要がありませんでした。

 ■インストールとアクティベーション
  送られてきたベータ版の CD-ROM は全部で12枚、アプリケーションセット、
 コンテンツセット、そしてサーバセットと3つに分けられそれぞれに応じたア
 プリケーションをインストールすることになります。

  驚いたのはサーバセットで、発売されたばかりの WindowsServer 2300 が添
 付されていたことでした。Enterprise Editionで買えば20万円位するものです。
 ベータ版とはいえ、すべての機能を持っています。
  自宅のサーバは Linuxなのでこれをインストールするサーバがないので、今
 回は無視することになります。しかし、どうして 2003サーバが必要?
  いずれこの謎は分かることができると思います。

  インストールには何枚かの CD-ROM を使い、自分の利用するものだけを選択
 することが可能でした。
  例によって、OfficeXPと同様に、アクティベーション(認証手続き)が必要
 で、これによって他のパソコンにインストールできない(コピーできない)よ
 うな仕組みが加えられています。
  個人で複数のパソコンにインストールする場合はライセンスを買わなくては
 なりません。認証手続きをしない場合、50回起動した後に、使用不可となって
 しまいます。

  なお、インストールの際、「アップグレード」を選択すると、以前のOffice
 は削除されてしまいます。そのため、「フルインストール」を選択して、以前
 のバージョンは残すことにしました。

 ■ Office2300の インターフェイス
 必要なものを選んでインストールし、「再起動」のメッセージとともに、パソ
 コンを再起動すると、日本語入力のフロントエンドプロセッサが「IME 2003」
 つまり 「Microsoft Natuarl Input 11 Beta」がデフォルトとされて、以前の
 フロントエンド・プロセッサは「削除」されてしまいました。

  また、以前の Outlook Express も断りなく削除され、新モデルに書き換えら
 れました。このベータ版のライセンスは、今年11月末までとなっているけれど
 その後、Natural Input と、Outlook Express は使えるのだろうか?

  とりあえず Word2003 を起動すると非常にカラフルなボタンバーが並んで、
 何となく次世代のソフトウェアであることを匂わせます。

 ■XML完全対応
 この新しいシステムについてマイクロソフトの声明によると、他のアプリケー
 ションなどで作成されたスキーマ(注1)を取り込み、Office System に含ま
 れる Excel や Wordなどで使用できるようになったことが一番大きい、と述べ
 ています。

  今回の Office2300 では XMLに完全対応という「目玉」があります。しかし
 実際の使用ではどのように対応しているのでしょうか?

  ご存知のように XMLはプラットフォームが異なる環境でも、同じようにデー
 タを扱うことができるマークアップ言語です。XML では任意にスキーマを定義
 し、他のアプリケーションやシステム、データなどに再利用されることを得意
 としています。

  もし XMLに対応するとなれば、従来のマイクロソフト社の閉鎖的な仕組みが
 大きく変化することになります。何よりも、新しい Office で作成したデータ
 が、他のソフトウェアでも利用可能になるという XMLの前提を考えれば、マイ
 クロソフト社の戦略が変質したと感ぐりたくなります。

  この Office2300 が、本当の意味で XMLを完全対応しているかを検証するた
 めには、もう少し時間がかかりそうです。
                               (つづく)

(注釈用語解説)

 ○注1:スキーマ
 文書中の構造やデータ型をあらかじめ定義し、文書中の要素や属性の配列に関
 して、正しい並び方と間違った並べ方をコンピュータ言語として明確に記述し
 たものです。SGML、HTMLや XHTMLは DTD(文書型定義)を、スキーマと呼ぶこ
 とができます。
  スキーマを記述するための言語を、スキーマ言語と呼びます。

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

今回はここまで。

 今週のおさらいは Webページにも掲載しましたので、是非見ておいてください。
Webページでは HTML文の実行結果のサンプルもあり、より分かりやすく説明して
います。あわせて過去の記事のおさらいも掲載しています。

(今週のおさらい)
  http://www.scollabo.com/banban/magazine/review_055.html

 次回は、6月20日に配信を予定しています。

 次回のコンテンツ(予定、変更する場合もあります)
      ■ Webデザイン 第5回 --- ユーザビリティ
   ■ HTML講座  第5回 --- コンテンツの表示 bodyタグについて
   ■ XHTML講座 その17 --- コンテンツの配置 その2
    ■ タグの解説

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

質問・ご意見ははこちらまで→ banban@scollabo.com

 なお、ご質問の際には、あなたがお使いのOS、ブラウザ、テキストエディタな
ど、なるべく分かりやすく制作環境を明記していただけると回答しやすくなると
思います。
 ただし、個人的な事由により返事が遅れることがあります。ご了承ください。
お急ぎの場合には、当サイト内の掲示板をご利用ください。きっと誰かが答えて
くれると思います。

発行者 ばんばん
協 力 スズキ・コラボレーション http://www.scollabo.com/
配信エンジン まぐまぐ http://www.mag2.com/  (ID 0000090196)

誤字・脱字・変換ミス・表現欠乏などには平にご容赦願います。なお、マガジン
のすべての記述に誤りや重大なスペルミスがある場合、叱咤と罵声と共に私まで
突きつけていただくと幸いに思います。

バックナンバー こちらで公開しています。
プレーンテキスト  http://www.scollabo.com/banban/magazine.html
各号のおさらい  http://www.scollabo.com/banban/magazine/
アーカイブ    http://www.scollabo.com/banban/daf/archive.html
講座教材     http://www.scollabo.com/banban/daf/material.html
まぐまぐの過去記事 http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000090196

配信の変更・中止はこちらです。
個別の手続きは受け付けていませんので、ご面倒でも各自でお願いできれば助か
ります。
当サイトにて http://www.scollabo.com/banban/magazine/top.html
まぐまぐにて http://www.mag2.com/m/0000090196.htm

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

<えでぃた〜ず・るーむ>

 梅雨の時期になりました。当分憂鬱な日々が続くことでしょう。梅雨が明けれ
ば本格的な夏です。スタミナつけて乗り切らなければ・・

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

◆著作権について
個人がご自分のPCに保存して利用する以外の記事の転載、引用は基本的に応じ
ておりません。記事中の内容について、無断で使用することを固く禁じます。
 なお、記事中のスタイルシート、HTMLをご自分のページ作成に自由に使ってい
ただいても差し支えありません。

            Copyright(C) 2002-2003  www.scollabo.com/banban/
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓



Copyright(C) 2002-3003 banban@scollabo.com